ビットコインは10万ドル付近でネガティブなニュースの影響を受けやすくなる:オーダーブックのデータが示唆
  • ファルコンXが追跡したデータによると、ビットコインのオーダーブックでは、強気の流れが実行された後、買い注文が補充されていないことが示されており、売り手がより優位な立場にある。
  • 価格上昇の中で、市場全体の流動性が弱まっている。

このタイトルは間違っていない。しかし、矛盾しているようにも見える。ビットコイン(BTC)が10万ドルという節目に近づいていることは、その強さを示す明確な兆候だが、実際には潜在的なネガティブなニュースに対してはかなり脆弱かもしれないというデータがある。

これは「オーダーブック・スキュー・レシオ」によるもので、価格が10万ドルに近づくと、驚くほど買い手が戦力を引き下げていることを示している。この比率は、売り手の数と買い手の数を比較して測定するものだ。

暗号資産(仮想通貨)のプライムブローカーであるファルコンX(FalconX)が追跡しているデータによると、現在、中値の1%以内の売りと買いの不均衡を測定する1%スキューの3日間の移動平均は上昇しており、2022年以降で3回しか見られなかった水準に近づいている。

これは、今月初めのアメリカ大統領選挙以来、価格が6万8000ドルから10万ドル近くまで上昇した強気相場が、新たな買い意欲によって補充されず、売り手がより優位な立場にあることを示す兆候だ。そのため、わずかなネガティブなニュースが著しい価格の修正につながる可能性がある。

「10万ドルに近づくにつれ、歪みは2022年以来3回しか見られなかった水準に近づいている。これは中期的な上昇を脅かすものではないが、10万ドルの水準を突破するまでの戦いが苦しいものになる可能性を示唆している」とファルコンXはニュースレターで述べた。

[BTC、ETH、SOLの現物取引のオーダーブックの偏り:FalconX]

ビットコインの上昇傾向は週末にやや失速した。11月22日に9万9500ドルのピークに達した後のことだ。過去3日間で、ビットコインのドミナンス(支配率、暗号資産市場の総時価総額に占める割合)は61.5%から59%へと急激に下落した。この下落は、ビットコインからアルトコインへの資金移動を示しており、価格修正を裏付けている。

いずれにしても、ファルコンXによると、取引高の増加にもかかわらず価格高騰の最中に市場全体の深みや流動性が低下しているため、価格の修正が起こったり、最終的に10万ドルを突破したりする場合、その動きは激しいものになる可能性がある。

流動性とは、市場が安定した価格で大量の取引注文を吸収する能力を指す。最近の流動性の低下は、大きな注文が現在の市場に過剰な影響を与える可能性を意味し、急速な価格変動を引き起こすかもしれない。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin May Be More Vulnerable to Negative News Near $100K, Data Suggests