- イーサリアムは24時間で4%上昇し、ビットコインの1.5%下落や市場ベンチマークのCoinDesk 20 Indexの小幅な上昇を上回った。
- イーサリアム/ビットコイン比率は先週、過去3年で最も弱い水準に達したが、その後は反発し、さらなる上昇に備えていると市場関係者は指摘した。
- ビットコインは年末まで横ばい推移となるだろうとWincentのシニアディレクター、ポール・ハワード氏は述べた。
ビットコイン(BTC)に対する長い下落トレンドの後、イーサリアム(ETH)は復活の兆しを見せている。
イーサリアムは11月25日、24時間で4%超上昇。一方、ビットコイン(BTC)は1.5%下落し、9万5000ドルを割った。市場ベンチマークのCoinDesk 20 Indexは0.5%上昇。
米大統領選でのトランプ氏勝利以降、大幅な上昇を見せていたビットコインが足踏み状態となったことを受け、週末、投資家は、より小規模でリスクの高い暗号資産に資本を回転させ始めた。イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)比率は21日に0.0318まで下落し、2021年3月以来の低水準となったが、その後15%上昇し、当記事執筆時点では0.3660となっている。
「市場は、ビットコインは12月まで横ばい推移となり、注目はイーサリアムに移ると予想しているようだ」とデジタル資産ヘッジファンドのQCPは25日のメモで述べた。
オプション市場では、イーサリアムのリスク・リバーサルはフロントエンド・コール(短期のコール)に大きく偏っている。一方、ビットコインのコールは2024年12月以降の入札のみが増加しているようだとQCPは指摘。これは、イーサリアムが短期的に好調なパフォーマンスを見せるとドレーダーが予想していることを示している。一方、ビットコインは来年の上昇が期待されているようだ。
リスク・リバーサルは、コール・オプション(強気)とプット・オプション(弱気)を同時に購入する戦略を言う。
イーサリアムはビットコインに対して反発の構え
「暗号資産ネイティブのヘッジファンドやファミリーオフィスに、ビットコインからイーサリアムへの資金ローテーションが見られる」と暗号資産デリバティブ・プライムブローカー企業、Arbelos Marketsの共同創業者ジョシュア・リム(Josh Lim)氏は述べた。
米国上場のイーサリアムETFは、6日連続の流出の後、ブラックロック(BlackRock)のイーサリアムETF「ETHA」への9900万ドルの流入を筆頭に、22日には純流入となった(Farside Investorsのデータによる)。ETHAの保有者には、運用資産残高800億ドルのヘッジファンドのMilleniumをはじめ「金融業界の最大手」が含まれていると、分析会社Kaikoは25日のレポートで述べている。
今後、イーサリアムはビットコイン比でさらに上昇する可能性がある。イーサリアム/ビットコイン(ETH/BTC)比率は21日に重要なサポート水準に達し、反発した。一方、先週のローソク足はトレンドの反転を示しており、暗号資産トレーダーのPentoshi氏は以下のようにXに投稿した。
「おそらくここが底値であり、少なくとも短期的な反転が起こる可能性が高い」
ビットコインは10万ドルを前に失速
ビットコインは現在、日次移動平均を大きく上回って推移しているが、トランプ氏当選以来の上昇を投資家が消化する間、しばらくは横ばいで推移する可能性が高いと暗号資産取引会社Wincentのシニアディレクター、ポール・ハワード(Paul Howard)氏は述べた。
「心理的な節目の10万ドルには、かなりの売り圧がかかっている」とハワード氏。
「新年まで、この水準付近で上下するだろう。マーケット・ニュートラルを維持し、ここで下落リスクをヘッジする買いを入れることは、常に理にかなったリスク・リターン戦略となる」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CoinDesk
|原文:Ether Favored in Crypto Rotation as Bitcoin Recoils Off $100K Sell Wall