- 11月25日の5%の下落を受けて、ビットコインのトレーダーはプットオプションを購入した。
- コインベースプレミアム指標は、アメリカ市場におけるビットコインの需要の減少を強調している。
- 日足チャートは、弱気のRSIダイバージェンスを示しており、価格モメンタムの潜在的な弱さを示唆している。
ビットコイン(BTC)が10万ドルを突破するという期待は、一夜にして9万4500ドルまで値を下げたことで、未だ実現には至っていない。主要指標はさらなる下落を示しており、9万ドルを下回る可能性もある。
最初の指標は25デルタ・リスクリバーサルで、これは、下落リスクを回避するアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)プット・オプションと比較して価格上昇に賭けるOTMコールのボラティリティ・プレミアムを測定するものだ。
デリビット(Deribit)では、今週29日に満期を迎えるコールがプットよりも安い評価で取引されており、データソースのアンバーデータ(Amberdata)によると、その結果、マイナスのリスクリバーサルとなっている。少なくとも1カ月ぶりのマイナス値は、プットの保護に偏っていることを示している。
おそらく、洗練されたトレーダーたちは、25日の価格下落のさらなる拡大に備えているのだろう。25日には、トレーダーたちは店頭取引の流動性ネットワークであるパラダイム(Paradigm)で、コールスプレッドを売り、ビットコインに連動するプットオプションを購入した。
25リスクリバーサルの24時間ごとの変化を見ると、コールのバイアスが時間枠全体で緩和されていることが分かる。先週、12月と1月に満期を迎えるコールは、現在よりもプットよりも大きなプレミアムで取引されていた。
コインベースのプレミアムが消滅
アメリカでのビットコインの需要は、大統領選挙後の価格急騰(7万ドルから9万9500ドル)の際に暗号資産(仮想通貨)の強気相場を牽引した主要要因だったが、今は弱まっている。これは、ナスダック上場企業の取引所コインベース(Coinbase)でのBTC価格が、海外大手取引所のバイナンス(Binance)と比較して再び割り引かれた価格になっていることから明らかだ。
いわゆるコインベース・プレミアム指標のマイナス転換は、弱気のオーダーブックの歪みに従うものであり、潜在的なネガティブなニュースに対する脆弱性を示している。
RSIの乖離
相対力指数(RSI)の乖離は、資産価格がモメンタム・オシレーターと逆方向に動く場合に発生する。
BTCの場合、11月22日に価格が9万9000ドルを上回る最高値を更新した一方で、RSIは弱気な乖離を示した。このパターンは、強気なモメンタムがひとまず終了し、今後は損失が発生する可能性があることを示す。
日足チャートでは、8万7000ドルから8万8000ドルでのサポートが示されており、長期的なテクニカル指標が強気傾向を維持する一方で、より大幅な下落が起こった場合は、そのレンジが底値となる可能性があることを意味している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Three Reasons Why Bitcoin Risks Falling Below $90K: Godbole