CoinDesk JAPANは「初めての暗号資産!口座を開設したら見る動画」シリーズの第2回を12月2日に公開した。前回の基礎知識編に続き、今回は実践的な投資手法を紹介。SBI VCトレード代表取締役社長の近藤智彦氏が、図解を交えながら初心者向けにわかりやすく解説した。動画はCoinDesk JAPANのYouTubeチャンネルで公開されている。10分程度のスキマ時間に、暗号資産投資の基本を学ぶのにピッタリの内容となっている。
動画では近藤氏が、暗号資産について「新しい技術の上に成り立っている投資手法」で、「株や投資信託とは違った値動きが期待できる新しい投資のアセットクラス」だと説明した。ブロックチェーン技術は、その進展に伴い、NFTなど関連分野への応用も広がっている。こうした「利用シーンの拡大が、間接的に値動きにも影響している」という。
実際の取引は?
では、暗号資産の取引というのは、実際はどのようなものがあるのか?
近藤氏がまず触れたのが「現物取引」。これは、ビットコインなどの暗号資産そのものを売買する手法だ。安い時に買って高い時に売れば、その差額が利益になる、というシンプルな構図となっている。
続いて取り上げたのが「レバレッジ取引」。これは手元資金をテコのように使って、積極的に取引する手法だ。個人向けの暗号資産レバレッジ取引は、手元資金の2倍まで取引できるルールになっている。たとえば1000万円の資金があれば、2000万円分までのビットコインを取引できる。こちらは「現物は購入せず、その対象価格の変動の差額分だけを受け取る取引」で、「価格が下がると思えば、売りから入ることができる」のが特徴だと近藤氏は説明する。
SBI VCトレードでは取り扱っている24銘柄の暗号資産のうち、13銘柄でレバレッジ取引に対応している(収録日10月22日時点)。さらに、同社のサービスでは、保有している暗号資産の半分までの資金を証拠金として利用できる。つまり、「1000万円分のビットコインを持っていれば、500万円分までが証拠金として活用できる」(近藤氏)というわけだ。
初心者向け!「積立」のメリットとは
続いて動画で紹介されたのは「積立」だ。投資信託などでもおなじみのスタイルなので、馴染のある人も多いだろう。
これは、同じ金額で定期的に暗号資産を購入していくため、暗号資産の価格が安いときは多く、高いときは少なく買うことになる。その結果として平均購入単価を抑える効果が期待できるわけだ。これが「ドルコスト平均法」と呼ばれている手法だ。
「一度に買うと、一気に資産を投下することになり、分散投資の観点でもリスクが高くなってしまう」と近藤氏。つまり買うタイミングをバラけさせることで、タイミング悪く高い値段で買ってしまうリスクを一定程度抑えられるというわけだ。
SBI VCトレードの積立サービスでは、1回の購入価格が最低500円からで、毎日・毎週・毎月と購入頻度を選べる仕組み。一度設定をすれば、あとはサービス側で自動購入されるため、例えば毎日500円ずつ積立していく、といった方針も選びやすいという。近藤氏は「初心者の方、どうしていいか分からないと言う方には、まず少額の積立が非常にお勧め」と話す。
近藤氏は「少額から取引ができますので、ぜひいろんなアセットクラス、株、投資信託といったものの分散投資の一つとして暗号資産をご検討いただければ」と話していた。
■出演者
近藤 智彦氏| SBI VCトレード株式会社 代表取締役社長
2007年、早稲田大学理工学部卒業、SBIホールディングス入社、SBIグループの情報システムを担当。同グループの電子決済事業を経て、外国為替関連事業を営むSBIリクイディティ・マーケットでシステム担当役員を務める。19年にSBI VCトレード取締役に就任、暗号資産・Web3関連事業に従事し2023年から現職。
神本 侑季 | N.Avenue 代表取締役CEO(モデレーター)
2013年にヤフー株式会社(現Zホールディングス株式会社)に入社。Yahoo!ニュースを中心にメディア・広告のビジネス開発に従事した後、海外のテックベンチャー企業と共に新規事業立ち上げを担当。2018年より、グループの投資ファンドであるZコーポレーション株式会社にてブロックチェーン領域のリサーチ、事業開発に従事。 2018年より、同社の出資により設立した次世代金融領域の情報発信を行うメディア企業、N.Avenue株式会社の立ち上げを担い、現在は代表取締役社長。世界有数の暗号資産・フィンテックメディアCoinDeskの日本版「CoinDesk JAPAN」や、国内最大級のブロックチェーンカンファレンス「btokyo」などを運営する。
|テキスト:渡邉一樹
|編集:CoinDesk JAPAN
|写真:N.Avenue