日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は11月29日、「RWA(現実資産等)トークンの利活用に関するガイドライン」(案)を公表するとともに、フォームを設けてパブリックコメントの募集を開始した。募集期間は12月19日18時までとなっている。
本ガイドラインは、経済産業省の令和5年度補正「Web3.0・ブロックチェーンを活用したデジタル公共財等構築実証事業」の一環として策定される。RWA(Real World Asset:現実資産等)が紐づくトークンを活用する事業者、または検討中の事業者を対象に、デジタル資産の発行・流通市場の構築を推進することを目的としている。
ガイドラインの構成は全4章から成り、第1章では概要及び実際の事例を紹介。第2章ではトークンの移転を当該トークンに紐づく現実資産等の移転とみなすための論点整理を行う。第3章では現実資産等が紐づくトークンの債権債務関係に関する論点を整理し、第4章では中長期的な課題を取りまとめる。最終版では別添として利用規約のひな形も添付される予定だ。
JCBAによると、ブロックチェーン技術は将来的なポテンシャルを秘めているものの、「実利で動く民間事業者にとって価値が見えづらい」「インフラ構築は公共性が高く民間事業者のみで取り組む経済合理性が低い」「ルール整備は進んでいるが依然として複雑・不明瞭な部分も多い」といった課題により、社会実装が十分に進んでいない状況にあるとしている。
本ガイドラインでは、実際にデジタル資産を活用するビジネスを行う事業者や法規制等の関連分野の専門家の意見も踏まえながら、これらの課題解決に向けた指針を示す。意見募集の詳細はJCBA公式ウェブサイトで確認できる。
|文:栃山直樹
|画像:日本暗号資産ビジネス協会ウェブサイトから(キャプチャ)