円高がビットコインの問題を示唆──XRPが主要暗号資産を上回る
  • XRPは過去24時間で5%以上急騰し、主要通貨の値上がりを牽引した。
  • アジア取引時間における暗号資産市場の動きは、日本円が米ドルに対する重要な水準を突破したことによるものだ。
  • 円は俗に「アンチリスク」通貨として知られ、投資家がストレスを感じている時に頼る安全通貨と見なされている。

エックス・アール・ピー(XRP)は過去24時間で5%以上上昇し、感謝祭の休日にビットコイン(BTC)が歴史的な「大虐殺」を免れたことで、主要暗号資産(仮想通貨)の価格が上昇した。また、市場全体でもわずかに上昇した。

11月29日の早朝には、BTCは9万6000ドル以上で取引され、28日の安値9万3500ドルから着実に上昇した。イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、バイナンスコイン(BNB)はほとんど変化がなかったが、カルダノ(ADA)は3.5%上昇し、ドージコイン(DOGE)は1.2%下落した。

幅広い主要トークンを追跡するCoinDesk 20指数(CD20)は1.3%上昇した。目立ったきっかけがない中、アルゴランド(ALGO)とワールドコイン(WLD)は21%も急騰し、中型株の値上がりを主導した。

アジア時間における暗号資産市場の動きは、日本円が米ドルに対する重要な水準を突破したことによるものだった。

予想を上回る東京のインフレデータを受けて、12月の日本銀行による利上げ期待が高まり、円は一時1ドル150円を突破した。この動きは、月末の資金調整や感謝祭による流動性の低下によって強まった可能性が高い。

市場のセンチメントは、日銀の利上げの可能性が63%、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの可能性は67%と見ており、これは円キャリー取引の魅力を低下させる可能性がある。 円は一般的に「アンチリスク」通貨として知られており、投資家が不安定な時期に頼る安全な避難通貨と見なされている。

7月末と9月末に円が好調なパフォーマンスを示した際には、以前にも、円建ての融資が割高になるにつれ、円建ての融資で賄われたキャリートレード、つまり強気のリスクオンベットの解消が引き起こされた。

今週初めのCoinDeskの分析では、ビットコインの強気相場が弱まっている兆候が見られ、豪ドル/円の為替レートが下落し、リスク回避のムードが強まっていることが示された。世界経済の健全性と関連している豪ドルと円は、BTCのようなリスク資産に逆の影響を与える傾向がある。

このシナリオは、日銀の利上げ観測による円高が豪ドル/円の8%下落とビットコインの2万ドル下落につながった以前の出来事を想起させ、為替相場の変動が暗号資産に与える潜在的な影響を示している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:XRP Outperforms Crypto Majors as Japan Yen Strength Signals Bitcoin Trouble