イーサリアムの低迷は終わったかもしれない:バーンスタイン
  • イーサリアムの低迷は終わったかもしれないとバーンスタインの報告書は伝えている。
  • バーンスタインは、ブラックロックのイーサリアム現物ETFが11月29日にビットコインのETFよりも大きな流入があったことを指摘した。
  • イーサリアムETFのステーキング利回りが、トランプ新政権下において、この暗号資産の追い風になる可能性がある。

イーサリアム(ETH)は年初来、ライバルであるビットコイン(BTC)やソラナ(SOL)に劣るパフォーマンスを見せているが、ETHの現物ETF(上場投資信託)への資金流入が変化の兆しを見せていることから、この低迷期は終わる可能性があると投資会社のバーンスタイン(Bernstein)は12月2日に発表した調査報告書で述べた。

同社は、11月29日にブラックロック(BlackRock)のイーサリアム現物ETFに2億5000万ドル(約375億円、1ドル=150円換算)の資金流入があったのに対し、同じくブラックロックのビットコイン現物ETFは1億3700万ドル(約205億5000万円)の資金流入にとどまったことを指摘した。

「これはETHにとって好ましい需要と供給の力学を生み出す」と、ゴータム・チュガニ(Gautam Chhugani)氏率いるアナリスト・チームは書いている。

イーサリアム(Ethereum)ステーキングの利回りは、この暗号資産(仮想通貨)にとってもう一つの追い風となる可能性がある。バーンスタインは、イーサリアム現物ETFの初期の申請には規制上の制限により利回りが含まれていなかったことを指摘した。

「トランプ2.0の暗号資産に友好的なアメリカ証券取引委員会(SEC)のもとでは、ETHのステーキングによる利回りは承認される可能性が高い」と著者は記し、さらにイーサリアムのブロックチェーンの活動が急増するにつれ、イーサリアムの利回りは4~5%に成長する可能性があると付け加えた。

イーサリアムのブロックチェーンの活動は増加しており、ネットワークは資産のトークン化やステーブルコインのプラットフォームとして依然として選ばれていると報告書は述べている。

イーサリアムがプルーフ・オブ・ステーク(PoS)メカニズムに移行した後、イーサリアムの供給量は合計1億2000万トークンで「停滞」しているとバーンスタインは述べた。

イーサリアムのガス代(取引手数料)はステークホルダーに約3%の利回りをもたらすため、イーサリアム供給量の約28%がステーキングプールにロックされていると報告書は指摘した。供給量のさらに10%は、預金およびレンディング契約にロックされている。

イーサリアムのほぼ60%は過去12カ月間、取引されていない。これは「回復力のある投資家層」の存在を示しており、暗号資産の需要と供給のポジティブな力学を強化していると報告書は付け加えた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Ether Risk-Reward Is Attractive Given Recent Underperformance: Bernstein