マイクロストラテジーのレバレッジETF、暗号資産市場に与える影響が拡大:JPモルガン
  • マイクロストラテジーのレバレッジETFが株式市場と暗号資産市場の両方に、これまで以上に影響を与えているとJPモルガンは報告書で指摘した。
  • 11月は暗号資産関連ETFへの資金流入が記録的に高い月となり、マイクロストラテジーのレバレッジ商品が資金の約3分の1を集めたという。
  • 株価プレミアムは、同社の将来の収益性と企業戦略に対する投資家の楽観的な見方を示すものだとJPモルガンは述べている。

JPモルガン(JPMorgan)は4日の調査報告書で、マイクロストラテジー(MicroStrategy)のレバレッジETF(上場投資信託)の規模拡大と、それが引き付ける資金の流れが、同社の株価と暗号資産(仮想通貨)市場に以前よりも顕著な影響を与えていると述べた。

JPモルガンは、このETFが11月に株価の60%近い上昇を増幅させる上で重要な役割を果たしたとしている。

報告書によると、11月にはアメリカのビットコイン(BTC)現物、イーサリアム(ETH)現物、マイクロストラテジーのレバレッジETFに合計で約110億ドル(約1兆6500億円、1ドル150円換算)の資金が流入し、過去最高を記録した。そのうち、マイクロストラテジーのレバレッジETFが34億ドル、つまり全体の約3分の1を占めたという。

ニコラオス・パニギルツォグロウ(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるアナリストらは、「これは、マイクロストラテジーのビットコイン購入プログラムを通じて、同社のレバレッジETFが暗号資産市場に与える影響が高まっていることを際立たせている」と述べた。

報告書は、マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏が創業したマイクロストラテジーが、今四半期だけで130億ドル(約1兆9500億円)をビットコイン購入に費やしたと指摘した。

アナリストらは、こうしたETFの成長は、ETFラップ商品を通じてビットコインへの増幅されたエクスポージャーを得たいという投資家の需要の高まりに後押しされていると指摘。また、これは通常、個人投資家には利用できないものだと説明した。

マイクロストラテジーの株式は、ビットコイン現物ETFへの投資が制限されている投資家がビットコインへのエクスポージャーを得ることを可能にしている。また、MSCIワールドインデックスなどのベンチマークに同社が含まれていることから、相当規模のパッシブ運用の資金流入の恩恵を受けている。

報告書は、マイクロストラテジーの株価にはビットコイン銀行になる計画やビットコインアプリケーションの開発など、同社の企業戦略の潜在的な収益性に対する投資家の楽観的な見方も反映されており、これが同社の評価額にプレミアムを加えていると説明した。

ベンチマーク(Benchmark)のアナリスト、マーク・パーマー(Mark Palmer)氏は、マイクロストラテジーは現在ナスダック100指数への組み入れ基準を満たしていると指摘した。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:MicroStrategy Leveraged ETFs’ Impact on Crypto Markets Is Growing: JPMorgan