2024年、新しい開発者を最も呼び寄せたのはソラナ:Electric Capital

暗号資産(仮想通貨)開発者数は、Electric Capital12日に発表したレポートによると、2024年もほぼ横ばい。一部の新規参入者が去る一方で、ベテラン開発者の多くは業界にとどまった。

世界中の暗号資産業界で働く開発者数はほぼ横ばいで、前年から7%減少した(統計的に大きな数字ではない)。また11月の月間アクティブ開発者数は2万3613人という。

一方、ミームコインブームの震源地となっているソラナブロックチェーンは、新規開発者の人気が最も高く、開発数は前年から83%増加。7月には2016年以来初めて、イーサリアムブロックチェーンよりも多くの開発者を獲得した。ソラナは2024年、7625人の新規開発者を獲得、これはどのチェーンよりも多く、イーサリアムを1000人強上回った。

この結果は、ソラナの安価な手数料と高速なトランザクションが投資と人材を惹きつけているなか、イーサリアムが直面している課題を浮き彫りにしている。

Electric Capitalのゼネラルパートナー、マリア・シェン(Maria Shen)氏によると2024年、暗号資産の仕事に2年以上従事している開発者の割合は増加。業界を去った開発者の中で、最も多かったのは比較的新しい人たちだった。

「彼らは弱気相場中に事実上参入した人たちであり、参入以来、本当に何もできなかった人たちだ」とシェン氏はCoinDeskに語った。

開発者数が安定していることは明るい兆しだとシェン氏は述べた。

「実績のある開発者の分野を見ると、成長しており、非常に健全だ。フルタイム開発者を見ると、減少率は最小限で、前年比4%減程度のものだ。全体的には(開発者人口は)非常に健全な状態にあると言える。だが横ばいで、これは主に1年あるいは2年未満で業界を去った開発者が原因だ」

ソラナは勢いがあるがイーサリアムは依然として優勢

ソラナの勢いと開発者の大幅な増加にもかかわらず、イーサリアムは依然として優勢だ。

「イーサリアムは圧倒的に優位だ。非常に深いネットワーク効果があり、データに示されている」

イーサリアム開発者数は、昨年1年間で17%減少し、6244人となったが、依然として圧倒的に最大の開発者エコシステムを有しているとシェン氏は述べた。

「イーサリアムは、世界の全大陸で、どこでも、開発者全体で圧倒的な存在感を示している。ソラナは現在No.2だ」

イーサリアム開発の成長は、主に数多く登場したレイヤー2ネットワークに起因しており、ベース(Base)、オプティミズム(Optimism)、アービトラム(Arbitrum)では、多くの人が開発に取り組んでいる。イーサリアム開発者の半数強にあたる56%が、レイヤー2に取り組んでいることがElectric Capitalの調査で明らかになった。

さらに、イーサリアムブロックチェーン上の主要リステーキングプロトコルであるアルゲンレイヤー(Eigenlayer)は、開発者を大幅に増やしている。アルゲンレイヤーは2024年、最も急速に成長した開発者エコシステムであり、月間開発者数は167%増加したという。

開発者はグローバル

Electric Capitalのレポートはまた、暗号資産がよりグローバル化していることを示している。アジアが開発者が最も多い大陸となり、北米は1位から3位に後退した。しかし国別では米国は依然として開発者数世界No.1を維持しており、19%のシェアを占めている。

インドは2024年、最も多くの新規開発者を獲得し、新規開発者の17%を占めた。

「インドには数多くの教育プログラムや開発者教育プログラムがあり、ハッカソンも数多く開催されているようだ」

開発者の地理的な多様化も好ましい傾向だとシェン氏は述べた。

「米国と北米が今後も優勢であり続けるという考え方は、可能性が低いだけでなく、望ましくないと言わざるを得ない。暗号資産では、よりグローバルな多様性と、ボーダレスになることが求められている。米国以外にも素晴らしいエンジニアリング才能が数多くいると考えている」

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:Solana Was the Biggest Draw for New Crypto Developers in 2024: Electric Capital