2020年に立ち上げられ、現在預かり資産(Total Value Locked:TVL)の規模で10位に位置するレイヤー1ブロックチェーンのアバランチ(Avalanche)は、16日に待望のアップグレード「アバランチ9000(Avalanche9000)」を実施した。これはアバランチエコシステムにとって過去最大の技術的変更となる。
アバランチネットワークは過去数カ月にわたり今回のアップデートに向けて準備を進めてきた。新機能により、トランザクション(取引)の送信、バリデーターの運用、ネットワーク上でのアプリケーション構築にかかるコストが削減される。
アバランチのリーダーらは以前CoinDeskに対し、このアップグレードの目標の一部は、開発者をアバランチに呼び込み、サブネットや「L1s」と呼ばれる技術を使用してカスタマイズされたブロックチェーンの作成を奨励することだと語っている。
「エトナ・アップグレード」とも呼ばれるこのアップグレードは、7つの改善提案で構成されている。実装された変更の中で最大の2つは、ACP-77、ACP-125として知られている。
ACP-77は、ユーザーが独自のサブネットを立ち上げられるよう、新しいタイプのバリデーターを導入する提案だ。こうした新しいノードは運用コストが低く、より多くの人がノードを立ち上げ、アバランチベースの独自のネットワークを作成するようにすることが狙いだ。
ACP-125は、スマートコントラクトを実行するアバランチのメインネットワークであるCチェーンの基本手数料を、25nAVAX(約0.00000098ドル)から1nAVAX(0.00000004ドル)に引き下げるものだ。この目標は、ネットワーク上での計算をより安価にすることだ。1nAVAXは1AVAXの10億分の1に相当する。なお、アバランチネットワークには他に2つのメインチェーンがある。ネイティブトークンのアバランチ(AVAX)をステーキングし、バリデーターを運用するPチェーンと、資金の送受信に使用されるXチェーンだ。
アバランチ財団(Avalanche Foundation)は、このアップグレードに先立ってギャラクシー・デジタル(Galaxy Digital)、ドラゴンフライ(Dragonfly)、パラファイ・キャピタル(ParaFi Capital)が主導するトークンセールで2億5000万ドル(約375億円、1ドル150円換算)を調達したことを発表した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:Avalanche Blockchain’s Largest-Ever Upgrade, ‘Avalanche9000,’ Is Live