- マイクロストラテジーがナスダック100指数に加われば、S&P 500指数への組み入れにつながる可能性があり、そうなればさらに大きな機会が得られるだろうとベンチマークは報告書で述べている。
- ベンチマークによると、マイクロストラテジーは現在、S&P 500への組み入れ基準の一部を満たしているが、すべてを満たしているわけではない。
- 新しいFASB会計基準を採用すれば、この指数への組み入れに必要な残りの条件を満たすことができるだろうとベンチマークは述べている。
マイクロストラテジー(MicroStrategy)がナスダック100種指数に追加されたことは大きな出来事だが、S&P 500種指数への追加の可能性もあり、中期的にはさらに大きな機会となるとブローカーのベンチマーク(Benchmark)は12月16日の報告書で述べた。
ナスダックは12月13日、マイクロストラテジーが12月23日付でナスダック100種指数に追加されると発表した。
マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏によって設立された同社は、時価総額と取引高の面ではS&P 500種指数の基準を簡単に満たしているが、現在、他の2つの要件を満たしていないと報告書は伝えている。
同社は直近の四半期で黒字を計上し、「直近4四半期の合計で黒字」を報告する必要があると、アナリストのマーク・パーマー(Mark Palmer)氏は書いている。
マイクロストラテジーは2025年第1四半期に、貸借対照表に計上されたビットコインの会計処理について、財務会計基準審議会(FASB)の新しい基準を採用する予定だと述べているとベンチマークは伝えている。これによって「同社は直ちに黒字報告を開始できる立場にある」という。
マイクロストラテジーはナスダック100に初めて加わるビットコイン関連企業となり、同指数で40番目の規模となり、加重平均で0.47%を占めることになると、16日にバーンスタイン(Bernstein)が報告した。
その影響の大きさは?
マイクロストラテジーがナスダック100に採用されたことは、運用資産残高(AUM)で5番目に大きいETF(上場投資信託)であるインベスコQQQトラストシリーズETFが、同社を他の多くの企業とともに同指数に追加するという点で、同社にとっては大きな節目となる。
VettaFiのデータによると、運用資産残高(AUM)が最大の3つのETFはすべてS&P 500で構成されている。これらは、SPDR S&P 500(SPY)、バンガードS&P 500(VOO)、iシェアーズ・コアS&P 500(IVV)だ。これら3つのETFを合わせると、運用資産残高は1兆8000億ドル(約279兆円、1ドル=155円換算)を超える。
S&P 500への組み入れがもたらす影響の大きさは、2020年12月21日に同指数に組み入れられたことを受けて、株価が急騰したテスラ(Tesla)の例を見ても明らかだ。株価は組み入れから1年で200ドルから400ドルへと倍増した。しかし、上昇の大半はS&P 500への組み入れ前に得られたもので、2019年12月から10倍にまで上昇した。これは、マイクロストラテジーの株価上昇の大半は、同社がベンチマーク指数に組み入れられる前に発生する可能性があることを示唆している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:マイケル・セイラー氏(CoinDesk/Danny Nelson)
|原文:MicroStrategy’s Addition to Nasdaq-100 May Pave Way for S&P 500 Inclusion: Benchmark