2025年、国家によるビットコイン購入が普及の転換点に:フィデリティ
  • 2025年はビットコインの普及に関する転換点になるだろうとフィデリティの報告書は述べている。
  • より多くの国家、中央銀行、政府系ファンド、財務省がこの暗号資産を購入することが予想されるとフィデリティは述べた。
  • この投資会社は、ビットコインを戦略的に保有することでインフレ率の上昇、通貨の切り下げ、財政赤字の拡大といったマクロ的な逆風を相殺できる可能性があるとしている。

フィデリティ・デジタル・アセット(Fidelity Digital Assets)は1月7日に発表した調査報告書で、世界最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン(BTC)の受け入れと採用に関して、今年は転換期となるだろうと述べた。

「より多くの国家、中央銀行、政府系ファンド、財務省がビットコインにおける戦略的ポジションの確立を検討するだろう」とアナリストのマット・ホーガン(Matt Hogan)氏は記した。

インフレ率の上昇、通貨の切り下げ、財政赤字の急増といったマクロ的な逆風を考慮すると、ビットコインに投資しないことは、投資するよりもリスクが高い可能性があるとレポートは指摘している。

フィデリティは、次期大統領のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏とシンシア・ルミス(Cynthia Lummis)上院議員が、アメリカにおける戦略的なビットコイン準備の確立について積極的に発言していることを指摘しているが、2025年にこの計画が実行されるかどうかはまだわからないと述べている。

ルミス上院議員は7月、上院に「Boosting Innovation, Technology and Competitiveness Through Optimized Investment Nationwide(BITCOIN)Act(全国的な最適化投資によるイノベーション、テクノロジー、競争力の強化法案:ビットコイン法案)」を提案した。この法案が可決されれば、「政治と金融のゲーム理論が展開され、他の国々にも追随を強いることになる」とフィデリティは述べた。

フィデリティによると、もし国家がビットコインの蓄積戦略を採用した場合、その計画を発表することで他の投資家がBTCを購入し、価格が上昇する可能性があるため、これらの国々はデジタル資産をこっそりと購入し始める可能性が高いという。

現在、アメリカ、中国、イギリス、ウクライナ、ブータン、エルサルバドルがビットコインを多く保有する政府だと報告書は述べている。これらの国の多くは、政府による押収や犯罪行為に関連するビットコインの回収によってのみ、ビットコインの保有が知られるようになったと指摘している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Nation-States and Central Banks Are Expected to Buy Bitcoin in 2025, Fidelity Says