- CEOのアルマーニ・フェランテ氏によると、暗号資産取引所のバックパックはEU全域で唯一の規制された永久先物プロバイダーとなる予定だ。
- フェランテ氏は、同社のMiCA通知が提出済みであり、2025年第1四半期にサービスを開始すると述べている。
サム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)氏の破産した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのヨーロッパ部門であるFTX EUは、アラメダ・リサーチ(Alameda Research)とFTXの元従業員が設立した暗号資産取引所であるバックパック(Backpack)に売却された。
FTX EUは、キプロス証券取引委員会(CySEC)のMiFID II(第2次金融商品市場指令)ライセンスを保有しており、バックパックは3270万ドル(約52億3200万円、1ドル=160円換算)を支払ったと発表した。
バックパックのCEOであるアルマーニ・フェランテ(Armani Ferrante)氏によると、同社の新しいヨーロッパ部門は、EU全域で唯一の規制された永久先物プロバイダーとしての地位を活かし、EU全域で暗号資産デリバティブのフルスイートを提供する予定だという。
多くの暗号資産取引会社がMiFID IIライセンスを申請しており、ライセンスが降りれば、関連する国の管轄当局に通知を行うことで、EUの新しい暗号資産市場規制法(MiCA)体制下での暗号資産サービスも提供できるようになる。
現在、ビットスタンプ(Bitstamp)とコインベース(Coinbase)はMiFID IIライセンスを取得しており、オランダに拠点を置くD2Xもライセンスを取得し、米ドル建ての先物およびオプションの提供を計画している。その他の新規参入企業も、パナマに拠点を置く中央集権型取引所デリビット(Deribit)のような取引所から暗号資産デリバティブ市場の主導権を奪うことを目指している。
バックパックのフェランテ氏は、同社のMiCA通知は提出済みであり、2025年第1四半期にサービスを開始する予定だと述べた。
「一部の企業が限定的なデリバティブライセンスの承認を取得できているとはいえ、現在、コインベースやビットスタンプを含めてEUで永久先物を扱うサービスを提供している企業は見当たらない」とフェランテ氏は電子メールで述べた。「FTXのEUの顧客の資金を返還した後、規制された永久先物商品の提供を優先的に開始できることを楽しみにしている」。
フェランテ氏は、すべての商品群が現在開発中だと付け加えたが、そのうちのいくつかは第1四半期には展開されない可能性があるとのことだ。
バックパックは、ソラナ(Solana)のエコシステムに貢献し、成功したウォレットおよびNFT事業を立ち上げた創設者によって設立され、昨年1700万ドル(約27億2000万円)の資金調達を行った。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:バックパックのアルマーニ・フェランテCEO (Coral)
|原文:FTX EU Sold to Backpack Exchange, Plans Regulated Crypto Derivatives Push Across Europe