- ビットコイン(BTC)は1カ月以上ぶりの水準まで値下がりした。
- アルトコインの中では、ソラナ(SOL)とチェーンリンク(LINK)がとりわけ大きく下落した
- この売りは1月10日朝の米雇用統計発表を控えたもので、雇用統計が強ければ、市場は2025年のFRBによる利下げの可能性を完全に切り捨てるかもしれない。
ジミー・カーター元大統領を追悼するため、9日の米国株式市場は休みとなったが、暗号資産(仮想通貨)は年中無休で、翌日の12月雇用統計発表を前にした神経質な動きの矢面に立たされている。
午後遅くには、ビットコイン価格は1カ月以上ぶりの水準まで値下がりし、かろうじて9万1000ドル以上を維持。過去24時間では約3%下落した。
より広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexも同様に値下がりしているが、中でも下落が顕著なのはソラナ(SOL)とチェーンリンク(LINK)で、いずれも2桁の下落率となっている。
暗号資産(仮想通貨)の継続的な下落は、11月のドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利と、より友好的な規制環境の期待に促された2024年第4四半期の大幅な値上がりの後に生じたものである。
暗号資産を支えていたもうひとつの要素は、金融緩和政策であった。米連邦準備制度理事会(FRB)は9月以降、FF金利を100ベーシスポイント引き下げた。
しかし、一連の経済報告によって、経済とインフレが市場やFRBの予想をはるかに上回る強さであることが示されたため、その支えは失われた。一方で、FRBが短期金利の引き下げを始めて以来、長期国債の利回りは100ベーシスポイント以上上昇した。
9日の売りは、10日朝の12月雇用統計発表を控えてのものだ。強い経済データが続々と発表されており、また新たな強い経済データが続けば、市場は2025年の利下げの期待を見送るだけでなく、今後数カ月の利上げの必要性を織り込み始めるかもしれない。
ビットコインはどこまで下落するか?
「ビットコイン、イーサリアム(ETH)、ソラナは現在、12月5日に記録したレンジ安値を再び記録しており、人々はこの水準が維持できないかもしれないという事実を受け入れ始めている。多くの人がパニックを起こすのはこの時期だ」と、多くのフォロワーを誇るEugene Ng Ah Sio氏はXへの投稿で語った。
同氏は、9万ドルレベルまで下落した場合、ビットコインの次のサポートレベルは8万5000ドルだと述べた。
ベンチャーキャピタルファンドAsymmetric Capitalの創業者であるジョー・マッキャン(Joe McCann)氏は、ビットコインが9万ドルのレベルを維持できなかった場合、7万5000ドルをターゲットにする可能性があるとXに投稿した。
著名トレーダーのSkew氏は、9日の値下がりは、ダークウェブ「シルクロード」関連のビットコイン追加販売に関するニュースによって引き起こされた可能性があると指摘した。
バイナンス(Binance)のオーダーブックデータを分析した別の投稿で、Skew氏は、現在の価格以下でビットコインを買い上げる準備ができている買いの流動性は強固で、売り手を上回っていると述べた。
「ここで注目すべきことは、価格の背後にあるボラティリティの欠如であり、これは売りフローが大きくないことと、現在の売り圧力を上回る買いの流動性を示唆している。これはそれほど悪いことではない」と、Skew氏は指摘した。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin Heads to $90K as Crypto Selloff Gathers Steam