- 1月13日にビットコインが8万9000ドルから急速に回復したことは、売り手の枯渇を示唆している。
- これは、12月中旬の価格変動と逆のパターンだ。
- 15日に発表されるアメリカ消費者物価指数は、さらなるボラティリティをもたらす可能性がある。
暗号資産(仮想通貨)トレーダーが最も気にしているのは、低迷するビットコイン(BTC)の価格はもう底を打ったのか、それともまだ下がるのか、ということだ。
1月13日の価格の動きは安値から急速に回復したという特徴があり、12月中旬に10万8000ドル以上の過去最高値から上昇が停滞し、下落に転じた状況とは対照的だった。
この日のビットコインは、投資銀行がアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ期待を後退させたため、当初は下落した。一部では、10日の素晴らしい雇用統計を受けて利上げの可能性が議論され、アメリカの主要株価指数が下落したため、ビットコインは9万ドルから9万3000ドルの重要な支持帯の下限を下回った。
しかし、このサポートラインの崩壊は一時的なもので、その日の終わりまでにBTCは9万4000ドルまで急騰し、典型的な「長い下ヒゲ」のローソク足が残された。
これは下降トレンドの終息を示し、売り手が当初価格を押し下げたものの、最終的には買い手が売り手を圧倒したことを意味する。このパターンは、主に重要な支持水準で発生した場合や、BTCのように著しい価格下落の後に発生した場合に、潜在的な底値のシグナルとして見られることが多い。
11月下旬以降、一貫して下げを抑制してきたサポートゾーンに、長いヒゲのローソク足が出現した。
12月16日には、強気派が10万8000ドル以上の過去最高値を維持できず、長い上ヒゲのあるローソク足が出現した。これは、上昇トレンドが勢いを失い、売り手が再び力を取り戻そうとしている兆候だった。
次に何が起こるのか
13日の価格変動は底値を示唆しているが、9万5900ドルの高値を明確に上回る動きが確認される必要がある。
チャートを基に方向性を判断するトレーダーは、通常、新たな買い注文を出す前にそれを待つ。一方、8万9000ドル付近の13日の安値は、現在、弱気派が打ち破るべき水準となっている。
ビットコインの需要と供給の力学は強気傾向にあることに注目すべきだ。ビットワイズ(Bitwise)の欧州リサーチ部門責任者であるアンドレ・ドラゴシュ(Andre Dragosch)氏がXで指摘したように、企業によるビットコインの需要は、今年すでに新規コインの供給量を上回っている。
15日に発表されるアメリカの消費者物価指数(CPI)を受けて、価格変動が再び活発化する可能性がある。FRBの利下げ期待に影響を与える可能性があるからだ。
「13日の急落後、ビットコインは8万9000ドルの安値から反発した。トレーダーは1月15日のCPIの発表を待っている。主要なアルトコインもこれに追随し、多くのコインが過去24時間で下落している」と、クロノス・リサーチ(Kronos Research)のグローバル事業開発責任者であるニール・ウェン(Neal Wen)氏はCoinDeskに語った。
「市場ウォッチャーは現在、ここから下落するのか、上昇するのかを見極めるために、価格の安定性に注目している」とウェン氏は付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Is Bitcoin Bottom In? BTC’s Price Action is Inverse of December Peak Above $108K