- ハッシュレートの上昇に伴い、ビットコインのマイニング難易度が8回連続で上方修正された。
- これほど何度も連続で難易度が上方修正されたのはいつか直近2回を確認してみると、2018年の弱気相場と2021年の強気相場にさかのぼる。
ビットコイン(BTC)のエコシステムにおいて新記録の更新が続いている。マイニング難易度の調整が110.45テラ(兆)に上昇し、過去最高を更新した。110.45テラという数字は、ビットコインのジェネシス・ブロックの時点と比較して、難易度が約110.45兆倍になったことを意味する。
難易度調整は2016ブロックごとに行われ、平均して10分ごとにブロックがマイニングされるよう再調整される。
今回で8回連続の難易度の上方修正となる。業界がより生き残りづらいものとなり、ビットコインの報酬を得るためのブロックのマイニングがより困難になるため、マイナーにはさらなる圧力がかかる。
これは、一部の上場マイナーがハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)や人工知能(AI)の業界に転向した理由の一つだ。ビットコインのマイニングだけでは生き残れなかったためだ。さらに、マラ・ホールディングス(MARA Holdings)が転換社債を発行してビットコインを購入する動きも見られた。加えて、マラは保有するビットコインを貸し出して一桁台の利回りを得ることで収益を最適化している。
これほど何度も連続で上方修正が行われたのは今回が初めてではない。過去にも、2021年夏、中国のマイニング禁止でハッシュレートが約50%低下した直後に同様の記録が見られた。
この出来事の直後、2021年7月から11月にかけて、難易度は9回連続で上方修正された。最後の調整はビットコインが約6万9000ドル(約1070万円、1ドル155円換算)に達した強気相場のピークと一致した。その後、ビットコインは2022年を通じて弱気相場に入った。最後の上方修正が2021年のピークを示していた。
しかし、2018年には逆のことが起こった。ビットコインが約2万ドルだった強気相場のピークと一致する2017年12月から17回の上方修正が行われた。価格が約6000ドルだった2018年7月に小幅な下方修正が1回あった。
その後、さらに6回連続で上方修正が行われ、2018年第4四半期頃に複数回の下方修正が見られた。この時期、ビットコインはサイクルの底値である約3000ドルをつけた。
ビットコインがこれほど多くの連続上方修正を行う際に明確な傾向は見られないが、過去にはサイクルのピークや底値に近いことを示唆していた。しかし、7日移動平均で775EH/s(エクサハッシュ毎秒)となるハッシュレートの継続的な強さを認識することが重要だ。CoinDeskのリサーチによると、次の半減期前に1ZH/s(ゼタハッシュ毎秒)に達する可能性があるとされている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin Difficulty Hits All-Time High, Adjusts Positively for 8th Consecutive Time