- 先月分の総合CPIは予想を上回ったが、前年同月比のコアCPIは低下しており、投資家を喜ばせた。
- 政策当局者らは以前、コアCPIの粘着性に苦慮していた。
- ビットコイン価格はこのデータを受けて9万8500ドルまで急騰した。
12月の消費者物価指数(CPI)の総合指数は予想よりも高かったが、投資家は現時点では、前年同月比のコアCPIが予想外に低下したことを受けて買い姿勢を示している。
注目度の高いCPIは12月に0.4%上昇し、アナリストのコンセンサスと前月の0.3%をやや上回った。前年同月比のCPIは2.9%上昇した。アナリスト予想は2.9%、11月の数値は2.7%だった。
食品とエネルギーコストを除くコアCPIは12月に0.2%上昇した。予想は0.2%、11月の数値は0.3%だった。しかし、前年同月比のコアCPIは3.2%に低下し、予想の3.3%と11月の3.3%を下回った。
コアCPIは政策当局者にとって相当に重要なものだ。当局者らは、総合CPIがはるかに速いペースで低下する中、コアCPIの3%を超える粘着性に少なくとも多少のいらだちを表明していた。
CoinDeskのデータでは、ビットコイン(BTC)価格はこの報道後の数分間で約1500ドル上昇し、9万8500ドル(約1527万円、1ドル155円換算)に達した。過去24時間で2%上昇している。
伝統的な市場では、このデータを受けてアメリカの株式指数先物は約0.5%上昇し、債券利回りとドルはどちらも急激に低下した。
暗号資産(仮想通貨)市場は、1月を通じてレンジ内で取引されていた。強い経済と根強いインフレへの懸念の中でマクロ経済データと金融政策の見通しに振り回されていた。ビットコインは、連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長が12月に行ったタカ派的なコメント以来、主に10万ドルを下回って推移している。予想を上回る一連の経済データやインフレデータが相まって、市場参加者が抱いていた今年の利下げ期待がほぼ全て消え去ってしまった。
直近では、14日に発表された12月の生産者物価指数(PPI)が予想を下回るインフレ率を示していた。これは、今週発生した9万ドルを下回る突然の売りの後にビットコインが9万7000ドルまで反発する上で支えになった。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Maria Lin Kim/Unsplash
|原文:Unexpected Decline in Core CPI Sends Bitcoin Price Higher