ベッセント次期米財務長官候補、米デジタル中央銀行デジタル通貨構想に反対
  • 米上院での財務長官候補スコット・ベッセント(Scott Bessent)氏の公聴会では、暗号資産(仮想通貨)よりも税制が話題となった。
  • ベッセント氏は、米国中央銀行デジタル通貨(CBDC)のアイデアに対してはっきりと「ノー」を突きつける機会があり、米国がデジタル通貨に対して「2025年的なアプローチ」を持つことを望んでいると述べた。

ドナルド・トランプ次期大統領によって財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏に質問する米上院議員たちは、1月16日に開かれた指名公聴会で暗号資産関連の問題に多くの時間を割くことはなかった。

しかしベッセント氏には、米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)に対する強い反対を表明し、暗号資産に対する最新の見通しを支持することに言及する機会はあった。

ビリオネアのヘッジファンドマネージャーであるベッセント氏は、指名承認を審議する上院財務委員会で、連邦準備制度理事会(FRB)はデジタル・ドルを発行すべきではないと語った。デジタル・ドルは物議を醸すアイデアで、暗号資産(仮想通貨)業界では、政府による縄張り侵犯と見なされている。

「米国が中央銀行デジタル通貨を持つ理由はない。私の考えでは、中央銀行デジタル通貨は、他に投資の選択肢がない国のためのものだ」と、ベッセント氏は語った。

中国をはじめとする世界数十カ国がCBDCを立ち上げ、あるいは試験的に導入している。しかしベッセント氏は、それらの国々は一般的に「必要に迫られて」CBDCを導入したのであり、米国にはその必要性はないと述べた。

16日の公聴会の別の場面で、ベッセント氏は財務省の金融犯罪部門について質問され、テロ資金供与の観点から、「デジタル通貨に対しては2025年的なアプローチが必要だと思う」と述べた。

この思いは、暗号資産に支えられているセダー・イノベーション財団(Ceder Innovation Foundation)にすぐ受け入れられ、同財団はソーシャルメディアへの投稿で、「あまりにも多くの政治家が、デジタルイノベーターだけでなく、世界の安全保障を傷つける20世紀的な考え方で動いてきた 」と述べた。

ヘッジファンドで財を成したベッセント氏は、指名承認後に、数十万ドル相当のビットコイETFを売却する計画を提示し、暗号資産支持の姿勢が口先だけではなかったことを示した。

「暗号資産は自由が要であり、暗号資産経済は定着するだろう」と、ベッセント氏は7月、Fox Businessのインタビューで語った。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:スコット・ベッセント次期米財務長官候補(Anna Moneymaker / Shutterstock.com)
|原文:Trump Treasury Pick Bessent Opposes Idea of U.S. Central Bank Digital Currency