暗号資産の強気派、日銀の利上げに備える──インフレが勢いを失わせる可能性も
  • 市場では、1月24日の会合で日銀が利上げを行う確率を90%と予想している。
  • 日本の前年比インフレ率は2.9%で、金利決定の前日には最新のインフレ率が発表される。
  • 日本円は対米ドルで156円と、1カ月ぶりの水準となっている。

ほとんどの投資家は、ビットコイン(BTC)やその他の暗号資産(仮想通貨)の価格にとって重要な起爆剤となる可能性を秘めた、1月20日のトランプ大統領の就任式に注目している。

しかし、その数日後には、日本銀行による利上げの可能性が控えている。アナリストのマイケル・クレイマー(Michael Kramer)氏がXで共有したブルームバーグの表組みによると、市場では現在、1月24日に利上げが行われる可能性が90%と見込まれている。

以前、日銀の利上げは、伝統的資産市場と暗号資産市場の両方に混乱を引き起こした。これは8月初旬の円キャリートレード解消の主な要因となり、ビットコインは4万9000ドルまで急落した。トレーダーたちは今回もまた売りに備えているようだ。

2016年以降、日銀はマイナス金利を維持してきたが、2024年には金利を2回引き上げ、マイナス0.1%から0.25%にした。 今回の会合における想定金利は0.45%だが、日本では前日の1月23日にインフレ率が発表されるため、大きく変わる可能性もある。

前年比の消費者物価指数は8月以来最高の2.9%となっている。予想を上回るインフレ率が発表されれば市場に不安が生じ、円キャリートレードの巻き戻しが再び始まる可能性もある。

ドル指数(DXY)は現在109を超えており、2022年11月以来の高水準となっているが、9月の最安値の100から上昇している。

DXYはドナルド・トランプ氏の最初の任期と似たような動きを見せており、同氏の就任式を前にDXYが上昇し、その後、大幅に下落し、リスク資産に必要不可欠な後押しを与えた。DXYは、主要な外国通貨のバスケットに対する米ドルの価値を測定する。

日本円は12月16日以来、対ドルで最安レベルの156円前後で取引されている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Crypto Bulls Brace for Bank of Japan’s Rate Hike That Could Derail Momentum