トランプ新政権への楽観と活気で溢れる業界イベント「Crypto Ball」開催
  • トランプ氏の大統領就任を祝う暗号資産業界のイベント「Crypto Ball」が開催された。
  • イベントには業界の大物が参加、ラッパーのスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)氏が華を添えた。
  • 業界の活気と豪華なイベントは、ワシントンで暗号資産(仮想通貨)フレンドリーな政策が進められる可能性への楽観を表している。

会社のロゴ入りTシャツなど、普段はカジュアルな服装で知られる業界関係者がタキシードや華やかな装いに身を包み、1月17日夜、ワシントンで開催された「Crypto Ball」で、ドナルド・トランプ氏の次期大統領就任を祝った。新政権は業界の地位を向上させると業界リーダーたちは期待している。

業界の大物たち、マイケル・セイラー(Michael Saylor)氏、ブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏、ウィンクルボス(Winklevoss)兄弟、ジェシー・パウエル(Jesse Powell)氏や、次期政権の高官たち、例えば、トランプ氏が暗号資産担当に指名して注目されたデビッド・サックス(David Sacks)らがアンドリュー・W・メロン講堂(Andrew W. Mellon Auditorium)に顔を揃えた。

参加者はカクテルを手に、トリュフがトッピングされたマグロのタルタルを口にし、ラッパーのスヌープ・ドッグ氏のパフォーマンスを楽しみ、そして、ワシントンでの先行きにとってより重要なこととして、マイク・ジョンソン(Mike Johmson)下院議長も顔を見せた。

「全体として、とんでもないイベントだった。伝統的なシリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)に加え、世界の暗号資産投資家と創業者の50~60%が参加していたと言えるほどだ」とある参加者は語った。

「マイク・ジョンソン氏のような影響力の大きな議員も多数参加していた」

「Make Bitcoin Great Again」

イベントは、暗号資産業界にとってワシントンでのダイナミックな上昇を意味する。「Make Bitcoin Great Again(ビットコインを再び偉大に)」と書かれた赤い帽子が配布され、出席者は新しい政権、新しい議会との緊密な関係に期待を寄せている。暗号資産を、規制された米国金融セクターの一部として確立する政策が実現する可能性がある。

〈提供:Christian Narvaez〉

米国のテック企業(暗号資産関連企業を含む)は、トランプ氏はすでに多くの高額献金者から献金を受けているが、就任式への寄付を新政府へのもう1つの財政的支援の手段として利用した。Coinbase(コインベース)、Ripple(リップル)、Kraken(クラーケン)、Circle(サークル)などの暗号資産関連企業は、トランプ氏の就任委員会に多額の寄付を行い、その総額は記録的なレベルに達した。これらの企業の中には、Crypto Ballのスポンサーになったところもある。

参加チケットの価格は2500ドル〜5000ドル(約39万円〜78万円、1ドル156円換算)となっていたが、4時間にわたるイベントは広報担当者によると「特別な社交イベント」であり、報道関係者は参加できなかった。

環境保護庁(EPA)の本部が置かれた新古典様式の建物群に囲まれたアンドリュー・W・メロン講堂は、NATO(北大西洋条約機構)の設立署名が行われた場所であり、またビル・クリントン大統領がNAFTA(北米自由貿易協定)に署名した場所として知られている(どちらもトランプ氏から激しい批判を受けている)。19日には、保守系ニュース専門局Newsmax(ニューズマックス)が主催する大統領就任前夜祭もここで行われる。

米国時間1月20日、トランプ氏は大統領に就任する。業界のトランプ支持者たちは、就任式の後に大統領令と新人事が続き、業界が米国政府とのより強固な基盤を築くことを期待している。

〈提供:Christian Narvaez〉

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:Crypto BallでスピーチするAI・暗号資産担当官に指名されたデビッド・サックス(提供:Christian Narvaez)
|原文:Crypto Ball to Celebrate Trump’s Return Marks Hope for New Era of Policymaking