- ドナルド・トランプ氏の公式ミームコインのローンチにより、ソラナの価格と取引量が急上昇し、TVLはFTX崩壊以来初めて100億ドル(約1億5600万円、1ドル156円換算)を超えた。
- トランプ氏のミームコインの時価総額は、すべてのブロックチェーンのなかで3番目の規模となり、ソラナETFのローンチの可能性が高まった。
- 次期米大統領が支持する暗号資産のローンチは、同国における暗号資産イノベーションに対してより寛容なアプローチへシフトすることを示唆している。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領の「公式」ミームコインは、ソラナ(SOL)への関心を高め、価格と取引量の急上昇をもたらした。その結果、ソラナ(Solana)ネットワーク上の預かり資産(TVL:Total Value Locked)が、FTXの崩壊以来初めて100億ドル(約1億5600万円)を超えた。
トランプ氏がソラナ上でミームコインを発行することを選択したことで、ソラナは発表以来23%以上上昇し、史上最高値を更新して、スマートコントラクトにロックされたドル価値を押し上げた。DeFiLlamaのデータによると、ソラナのTVLは現在120億ドル(約1億8720万ドル)で、史上最高値となっている。
ソラナで計測した場合、ネットワークにロックされた価値は昨年初めから着実に増加しており、最近4500万SOLを超えた。これは、FTX崩壊前の2022年8月以来の水準だ。FTXの共同創業者であるサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)氏は、ソラナネットワークの主要な支持者だった。
トランプ氏の公式ミームコイン「TRUMP」のローンチは、同氏の関連会社のCIC Digital(CICデジタル)が調整したとBBCは報じた。同社はFight Fight Fight(ファイト・ファイト・ファイト)とともに、今後3年間でリリースされるミームコインの供給量の80%を保有している。
暗号資産(仮想通貨)業界で話題を独占しているTRUMPは、バイナンス(Binance)やコインベース(Coinbase)などの大手取引所への上場が予定されている。現在、時価総額では、柴犬コイン(SHIB)とドージコイン(DOGE)に次いで全ブロックチェーンのなかで3番目の規模だ。
TRUMPは、ソラナエコシステムプロトコルのジュピター(Jupiter)とメテオラ(Meteora)を含むチームによってローンチされた。ソラナベースの分散型取引所(DEX)で熱狂的な取引を引き起こし、DeFiLlamaによると、24時間の取引手数料において、レイディウム(Raydium)がテザー(Tether)社を上回った。
トランプ氏がXに投稿したTRUMPのWebサイトで紹介されているミームコイン取引プラットフォーム「Moonshot」は、TRUMPのローンチ後12時間の取引量が4億ドル(約624億円)近くに達したと報告し、その過程で20万人を超えるユーザーがネットワークに参加したと付け加えた。
Today marks 6 months since launch.
— Moonshot (@moonshot) January 18, 2025
In the last 12 hours, we were featured on $TRUMP’s website as THE way to buy, processed nearly $400m in volume, crushed fiat onramp records by orders of magnitude, and brought 200k+ new people onchain.
We have an extremely high load right now…
ソラナネットワークを選択したことは、今年前半にソラナ現物ETF(上場投資信託)がローンチされる可能性を高めることにもつながった。ポリマーケット(Polymarket)のトレーダーたちは、そのような商品が7月31日までにローンチされる可能性を43%と見積もっていたが、61%に上昇した。
このような熱狂的な取引は、通常多くの機関投資家やプロのトレーダーが活動的でなくなり取引量が抑えられる週末に行われた。つまり、ソラナ上での投機的な動きは、平日も続く可能性があるということだ。
さらに、TRUMPのローンチにより、ソラナに新規ユーザーが流入し、何度も大規模な停止に見舞われたこのネットワークにその堅牢性を示す機会がもたらされる。この試練に耐えることができれば、ソラナエコシステムは引き続き大きな資金流入を見込める可能性がある。
トランプ氏のトークンの導入は、暗号資産分野に対する米国政府の姿勢の変化も示しており、世界最大の経済大国の次期大統領がソラナ基盤のミームコインをローンチしたことで、暗号資産分野の正当性が増す。
暗号資産のOG(初期購入者)で、暗号資産取引サービスを提供するシェイプシフト(ShapeShift)の創業者、エリック・ボーヒーズ(Erik Voorhees)は、「TRUMPの登場は、米国のフィンテック政策がより寛容なイノベーションへと変化している」ことを示しているとコメントした。
|翻訳・編集:廣瀬優香
|画像:Danny Nelson/CoinDesk
|原文:Solana’s TVL Crosses $10B for First Time Since FTX Collapse After TRUMP Memecoin Launch