- 投資運用会社のレックス・シェアーズとオスプレー・ファンズは21日、ミームコインを含む複数の暗号資産ETFの申請書類を提出した。
- 提案されたファンドの1つは、ドナルド・トランプ大統領によって新たに発行されたミームコイン、トランプコインを追跡するものだ。
- TRUMPは過去24時間で約25%下落したにもかかわらず、同期間に約170億ドルの取引高を記録した。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が大統領に就任した今、暗号資産(仮想通貨)の発行主体は何でも可能だと考えているようだ。
ETF(上場投資信託)発行会社のレックス・シェアーズ(Rex Shares)と暗号資産運用会社のオスプレー・ファンズ(Osprey Funds)は21日、トランプETFを含む多数の暗号資産に特化したETFを申請した。21日の米証券取引委員会(SEC)への提出書類で明らかになった。
このETFは、トランプ大統領自身が就任数日前の17日に発行したミームコイン、TRUMPの価格を追跡するものになる。TRUMPは過去24時間で約170億ドル(約2兆6350億円、1ドル155円換算)の取引高を記録したが、同期間に約25%下落した。
メラニア・トランプ(Melania Trump)大統領夫人も、現在約4ドル(約620円)で取引されている自身のトークンMELANIAを発行した。この二つのトークンはミームコインであり、本質的な価値はない。トレーダーは単にトークンの価格上昇または下落に賭けているだけだ。
したがって、この価格を追跡するETFは買い手に何の価値ももたらさないだろう。
ブルームバーグ・インテリジェンス(Bloomberg Intelligence)のETFアナリスト、ジェームズ・セイファート(James Seyffart)氏は、「これは発行主体が新しいSEC体制の下で限界を押し広げようとしているように私には感じられる。同時に、ETFの形式でデジタル資産へのエクスポージャーを提供するための斬新な構造を試しているように感じられる」と述べた。
今回ETFを申請した2社はさらに、別のミームコインであるドージコイン(DOGE)の価格を追跡するETFを発行するための書類も提出した。トランプ大統領は最初の大統領令の1つで、アメリカ・デジタル・サービス(U.S. Digital Service)を名称変更して「政府効率化省(Department of Government Efficiency)」を設立した。この機関は特定の政府機関や部門の合理化が任務とされているが、本記事執筆時点でそのウェブサイトにはドージコインのマスコットの画像が掲載されているだけだ。
前任のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長の下でのSECは、暗号資産を追跡するETFの承認に慎重だった。発行企業がビットコイン(BTC)現物ETFやイーサリアム(ETH)現物ETFを発行する許可を得るまでに何年もかかった。別のミームコインであるボンク(BONK)やリップル(Ripple)社に関連するエックス・アール・ピー(XRP)、レイヤー1ブロックチェーンのネイティブトークンであるソラナ(SOL)を追跡するETFも含むこれらの最新の申請がどれほど早く承認されるかは不明だ。
ブルームバーグ・インテリジェンスのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス(Eric Balchunas)氏はトランプETFの申請を「シュール」と表現した。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Investment Management Firms Want to Bring Trump Coin to Institutions With a New ETF