デリビットの取引高が前年比95%増、1兆ドルを突破
  • 2024年のデリビットの総取引高は前年比95%増の1兆ドル超となった。
  • オプション取引高は99%増の7430億ドルだった。

暗号資産(仮想通貨)市場の成熟を示す証拠が必要? それなら、2024年に記録的な取引高を記録した取引所デリビット(Deribit)に勝るものはないだろう。

暗号資産オプション、永久先物、ボラティリティ先物、スポット市場で構成されるデリビットの商品群の総取引高は、2023年の6080億ドル(約94兆2400億円、1ドル=155円換算)から2024年には95%増の1兆1850億ドル(約183兆6750億円)に達した。

オプション取引だけでも7430億ドル(約115兆1650億円)の取引高を記録し、前年比で99%の成長を遂げ、取引の大部分を占めるに至っている。

デリビットは2016年にビットコイン(BTC)のオプションを上場し、それ以来、世界をリードする暗号資産オプション取引所としての地位を確固たるものとしている。

「デリビットでは、特に第4四半期に、機関投資家がアメリカ大統領選挙を巡って楽観的な見方を示し、それに続いてビットコインの10万ドルへの高騰が起こったことで、年間を通じて取引高が増加した」と、デリビットの最高商務責任者(CCO)であるルーク・ストライジャーズ(Luuk Strijers)氏は、CoinDeskへ宛てたメモの中で述べた。

「プラットフォーム全体の取引高と、当社が提供する商品全体の取引高の増加は、特にプロのトレーダーが参入していることから、デリビットが引き続き、デリバティブ取引の主要な取引所であることを示している」とストライジャーズ氏は付け加えた。

デリビットでの取引活動のこの目覚ましい活況は、主にアメリカで現物ETF(上場投資信託)およびそれらETFに連動するオプションが開始され、機関投資家の参加が加速したことによる市場の成熟を反映している。これは、オプション、先物、ボラティリティへのベットを伴う、より洗練された多段階取引戦略へのシフトが拡大している兆候だ。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Deribit’s Crypto Trading Volume Nearly Doubled to Over $1T in 2024