トランプ大統領関連の暗号資産プラットフォームが約52億円のETH送金で、ステーキングETFへの期待に拍車
  • トランプ一族とつながりのある分散型金融プラットフォーム「ワールド・リバティ・ファイナンシャル(WLFI:World Liberty Financial)」は、3300万ドル(約51億8100万円、1ドル=157円換算)相当の1万イーサリアム(ETH)を、ステーキングして報酬を獲得するためにリド・ファイナンス(Lido Finance)に預け入れた。
  • この動きは、イーサリアム現物ETF(上場投資信託)のステーキング機能に対する規制当局の承認の可能性について楽観的な見方を引き起こした。
  • 米証券取引委員会(SEC)委員で暗号資産(仮想通貨)タスクフォースのリーダーであるへスター・ピアース(Hester Peirce)氏は先月、ETFのステーキングを再考することに前向きであると述べた。

イーサリアムに対するセンチメントはここ最近、落ち込んでいるが、ドナルド・トランプ大統領関連の暗号資産プラットフォームの最新の動きは、反転への希望に弾みをつける可能性がある。

トランプ一族とつながりのある分散型金融(DeFi)プラットフォームのワールド・リバティ・ファイナンシャルが今週、ステーキングして報酬を得るために、3300万ドル相当の合計1万イーサリアムをリキッドステーキングプラットフォームのリド・ファイナンスに入金したことが、アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)によるブロックチェーンデータで明らかになった。

リドは最大のイーサリアムステーキングプラットフォームで、310億ドルの資産がステーキングされている。

ドナルド・トランプがイーサリアムをステーキングし始めている

もう一度言おう……。

米国大統領がイーサリアムをステーキングしている

このトランザクションは、CoinDeskが報じたように、ワールド・リバティ・ファイナンシャルがイーサリアム、ラップビットコイン(wBTC)、トロン(TRX)、アーベ(AAVE)、チェーンリンク(LINK)、エセナ(ENA)を含む1億1000万ドル相当以上の暗号資産を獲得した後に行われた。

この動きは、規制当局が近いうちにイーサリアム現物ETFにステーキングを認めるのではないかという期待を抱かせる。

現在SECの暗号資産タスクフォースを率いるヘスター・ピアース委員は先月、ETFのステーキングを検討することに前向きであると述べた。SECのゲーリー・ゲンスラー前委員長は、業界では反暗号資産のスタンスで知られていたが、トランプ大統領の就任に伴い、1月20日に退任した。

ステーキングによって、投資家は保有トークンから安定した利回りを得ることができ、手数料も削減できるため、ETFの魅力が高まる。SoSoValueのデータによると、米国のイーサリアム現物ETFは合計で120億ドルのイーサリアムを保有している。

規制当局による承認の可能性はまた、イーサリアムの価格とリドのLDOのような関連するエコシステムのトークンに活力を与える可能性がある。

イーサリアムの将来は最近、競合トークンと比較した価格の低迷、指導部の争い、プロジェクトの開発ロードマップをめぐる懸念の中で、注目されている。

イーサリアムは先日、ビットコイン(BTC)に対して4年ぶりの安値まで下落し、ソラナのような急成長中のブロックチェーンに取引活動のシェアを奪われている。

「私はイーサリアムを二度と取引することはないが、これから数週間でステークドイーサリアムのETFが承認されたら、センチメントがどれだけ早く変化するかをよく見ておこう」と、多くのフォロワーを誇る暗号資産トレーダーのPentoshi氏は言った。

「イーサリアムは2025年のある時点で、ステーキングETFのニュースをめぐって数週間にわたって大幅に値上がりするだろう….。もしイーサリアムをロングし過ぎているのであれば、その時こそイーサリアムを売って、よりパフォーマンスの良い資産に乗り換える時だ」と、アスガルド・マーケッツ(Asgard Markets)のパートナー、アレックス・クルーガー(Alex Krüger)氏はXへの投稿で語った。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:TheDigitalArtist/Pixabay
|原文:Trump-Linked Crypto Platform’s $33M Ether Transfer Spurs ETF Staking Hopes