- アル=ワリード・ビン・タラール王子の会社キングダム・ホールディングのCEOは、同社が現在暗号資産への投資を検討していないと述べた。
- ロイターの報道によると、商品やサービスの支払い手段としての広範な採用がないことが、キングダム・ホールディングが消極的になっている主な理由だ。
サウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール(Al-Waleed Bin Talal)王子の投資会社であるキングダム・ホールディング(Kingdom Holding)は、暗号資産(仮想通貨)が商品やサービスの支払い手段として採用されていないことを理由に、近い将来における暗号資産投資を予定していない。タラル・イブラヒム・アル=マイマン(Talal Ibrahim al-Maiman)CEOの発言としてロイターが報じた。
サウジ王室の上級メンバーであるアル=ワリード王子は、ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏のようなスタイルのバリュー投資アプローチで知られており、バフェット氏と同様に一貫して暗号資産を避けてきた。キングダム・ホールディングの推定136億ドル(約2兆1080億円、1ドル155円換算)の資産は、金融やホスピタリティ、ヘルスケア、メディア、テクノロジー、不動産の分野の企業に対する持ち分を含むポートフォリオに分散されている。
ロイターによると、アル=マイマン氏はダボスで開催された世界経済フォーラムの合間に、「我々は、購入に使えないものに投資しないというバフェット氏の理論を支持している。暗号資産で商品を購入することはできないため、現在その投資を検討していない」と語った。
ソーシャルメディアでは長らく、サウジ王室が暗号資産に投資するとの噂が流れており、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の暗号資産支持姿勢によるアメリカの規制見通しの改善が、その投資の触媒になると見られていた。
アル=ワリード王子のビットコイン(BTC)に関する公の発言は、キングダム・ホールディングの暗号資産に対する懸念を反映している。同王子は2017年、ビットコインは「結局のところいつか崩壊する」と考えていると述べた。
|翻訳・編集:林理南
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|原文:Saudi Prince’s Investment Firm Shuns Crypto Investments, Citing Lack of Utility: Reuters