HTCはブロックチェーン・スマホのスペシャル版でバイナンス・チェーン(Binance Chain)をサポートする計画だ。
2019年11月12日(現地時間)、HTCは、仮想通貨取引所バイナンスのブロックチェーンにフル対応し、その分散型取引所とトークンをサポートするスマートフォン「エクソダス1(EXODUS 1)」を発売すると発表した。
バイナンスDEXに直接アクセスできる
発表によると、エクソダス1 バイナンス版(EXODUS 1 Binance edition)では、デバイスのネイティブ・ウォレットアプリ「ジオン・ヴォルト(Zion Vault)」がバイナンス・チェーンをフルサポートする。つまり、ユーザーは同デバイスを使って、バイナンスDEXに直接アクセスできる。
プレスリリースのなかで、HTCの最高分散化責任者フィル・チェン(Phil Chen)氏は、バイナンスの「ボーダーレス・ビジョンは、エクソダスが目指す理念でもある」と述べた。
「我々は、ユーザーが自身の鍵を所有し、自身のフル・ビットコインノードの運用を可能にするトラスト最小化の原則に加えて、最大かつ最も流動的な仮想通貨取引所と連携している」とチェン氏は述べ、さらにバイナンスDEXをデバイスがネイティヴ・サポートすることは、ユーザーが取引所とやり取りする方法を変える可能性もあると示唆した。
バイナンスのCEO、CZことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏は、スマートフォンはハードウエア・ウォレット、特にユーザーが常に持ち歩くもの向けには「最も自然なデバイス」と語った。
「一方で、仮想通貨はすべてのスマートフォンをPOSターミナルおよび決済デバイスにし、大半の中間業者を省くことができる」
ジャオ氏は、人々がエクソダス1を使って仮想通貨を導入する可能性に「ワクワクしている」と語った。
「意味合いは深く、広範囲におよぶ。最も革新的なスマートフォンメーカー各社が、仮想通貨の導入を競い合っている。我々は、HTCエクソダスをサポートし、連携することで、そのユーザーがバイナンス・チェーンやDEXにアクセスできるようにし、人々がどこでも仮想通貨や取引所にアクセスすることを支援できたことをうれしく思う」
今回の新しいバイナンス版の小売価格は599ドル
HTCは2018年5月、エクソダス1を公開、仮想通貨フレンドリーなスマートフォンをローンチすると発表した。エクソダス1は2018年後半に発売され、当初は仮想通貨を利用した決済でのみ購入が可能だった。2019年はじめ、同社はより広く、一般の人向けに法定通貨での決済による販売も開始した。
数々の機能の中で、エクソダスはモバイル・ハードウエア・ウォレットとして機能する「セキュア・エンクレーブ」機能をアピールしている。これは、仮想通貨の秘密鍵をハッキング、あるいは他の被害を受けるリスクなしに保管できる、ユーザーのための安全な環境として機能する。
2019年、HTCはエクソダス1シリーズに、大容量のSDカードを増設すれば、ビットコインのフルノードが運用可能になる、より安価な1sを加えた。
今回の新しいバイナンス版の小売価格は599ドル(約6万5000円)、エクソダス1の元の価格よりも割安だ。今回もデバイスはHTCのウェブサイトから仮想通貨によってのみ購入可能。早期購入者にはバイナンスコイン(BNB)のエアドロップが行われる可能性がある。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:HTC EXODUS image via Nikhilesh De for CoinDesk
原文:HTC Will Support Binance Chain With Special Edition Smartphone