博報堂キースリー、自動車データDePINプロジェクト「DIMO」と提携──日本市場進出を支援

博報堂キースリーは2月26日、米国発の自動車向けDePIN(分散型物理インフラネットワーク)プロジェクト「DIMO」を運営するDIMOファウンデーションとパートナーシップを締結したことを発表した。

DIMOは自動車データをデータエコシステムに提供したユーザーに報酬を付与するプロジェクトで、自動車にオンチェーン・アイデンティティを付与することにより、所有者が自動車とそのデータを管理できる環境を構築している。これにより、データプライバシーを確保しながら新たな顧客体験と経済的価値の提供を目指している。

北米およびヨーロッパ市場ではすでに15万台の車両が接続されており、200を超える開発者がDIMO基盤上でアプリケーション開発に取り組んでいるという。

博報堂キースリーはこの提携を通じて、DIMOの日本市場への進出戦略やPoC施策を推進する。また、日系自動車企業との協業を進めながら、日本の自動車業界におけるプロダクト・サービス実装に取り組む予定だ。

DIMOが目指す自動車の未来

DIMOの共同創業者ロブ・ソロモン(Rob Solomon)氏がCoinDeskで語ったところによれば、DIMOはEVや自動運転技術の進化によって失われつつある「自動車を所有する喜び」を取り戻すことを目指している。

車両データを収益化する機会を提供するだけでなく、デジタルツインによるカスタマイズ、所有権移転の簡素化、車両自体でのデジタル決済など、テクノロジーを活用して自動車の所有体験全体を向上させることが目標だという。ソロモン氏は「クルマを所有することは、再びクールなことになるだろう」と展望を語っている。

関連記事:DePIN、自動車所有の喜びを取り戻す:DIMO創業者が語る車とトークンの未来

DePINはWeb3業界で注目される分野の一つで、ブロックチェーン技術を活用し、従来の中央集権的なインフラ運営とは異なるアプローチで、様々な産業の課題解決やユーザーへの新しい顧客体験の提供を目指している。

|文:栃山直樹
|画像:リリースから