ビットコイン、8万7000ドル割れ──暗号資産市場全体で大きくUターン

- ビットコイン(BTC)は現在、8万6700ドル前後で取引されており、トランプ米大統領が3月2日に暗号資産(仮想通貨)準備金に含まれるトークンを発表する前の水準よりもかろうじて高いだけにとどまっている。
- イーサリアム(ETH)は2日の上昇分を失っただけではなく、ビットコインに対しても5年ぶりの安値を更新した。
- 米国株は、投資家たちがメキシコ、カナダ、中国に対する関税の影響を懸念する中、下げに転じている。
3月2日にトランプ大統領がもたらした暗号資産の急騰は、発生したのと同じくらいすばやく、ほとんど消えてしまった。
米国時間3日午後には、ビットコインは8万6700ドル前後で取引されており、トランプ氏がソーシャルメディアで暗号資産準備金について投稿する前のレベルをかろうじて上回っているだけだ。
イーサリアムは現在、トランプ氏による投稿以前の水準を下回っており、ETH/BTCレシオ(イーサリアムのビットコインに対する価格比率)は0.025と、5年ぶりの低水準に達している。
トランプ氏が暗号資産準備金に含まれると発表したその他のトークン、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)、カルダノ(ADA)は、2日の上昇分を大幅に失ったが、トランプ氏の投稿前よりはいくらか高い水準を維持している。
「暗号資産の取引高はまだ比較的高く、主要トークンはどちらも、3月末までのプットスキューを反映している」と、暗号資産取引会社QCPキャピタル(QCP Capital)は投資家に対して述べ、次のように続けた。
「VIX(ボラティリティ指数)も上昇しており、特に最近の米政権による関税発表後の、リスク資産全体に対する幅広い市場の不安を示唆している」。
暗号資産関連株も3日、上昇分を大きく失い、コア・サイエンティフィック(Core Scientific)やビットディア(Bitdeer)など多くの銘柄が大幅に値下がりしている。
ビットコイン保有戦略でよく知られている医療機器メーカーのセムラー・サイエンティフィック( Semler Scientific)は、QuantaFloという製品のマーケティングに関して不正防止連邦法違反の可能性があるとして司法省の調査を受けたとStat Newsが報じた後、3日には7.3%下落している。
トランプ氏が約束したメキシコ、カナダ、中国への関税発動を前に、ナスダックは1.1%、S&P500は0.8%下落した。半導体メーカー大手のエヌビディア(Nvidia)は、シンガポールが同社の半導体輸出に関連して、輸出規制違反事件で3人を起訴したとのニュースを受けて、6.5%下落している。
「米国の成長に対する懸念と、明日発動される中国、メキシコ、カナダへの関税が注目され、株価や相場を動かすだろう」と、暗号資産マーケットメーカー、ウィンターミュート(Wintermute)のOTCトレーダー、ジェイク・オストロフスキス(Jake Ostrovski)氏は語った。
|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Major U-Turn in Crypto Markets Sends Bitcoin Back Below $87K