DeFiにおけるビットコインは「未開拓の機会」:バイナンス・リサーチ
  • ビットコインは単なる価値の貯蔵手段以上のものに進化していると、バイナンス・リサーチの報告書は述べている。
  • 報告書によると、このネットワークは分散型金融(DeFi)のエコシステムへと発展しているという。
  • 現在、ビットコインの約0.8%がDeFiで使用されていると報告書は指摘している。

バイナンス・リサーチ(Binance Research)の報告書によると、分散型金融(DeFi)におけるビットコイン(BTC)の役割は拡大しており、この世界最大の暗号資産(仮想通貨)が単なる価値の保存手段以上のものへと進化しつつあるという。

ビットコイン・ネットワークは「ビットコインDeFiの出現により、より広範な分散型金融エコシステムへと進化している」と3月13日の報告書でアナリストのモウリク・ナゲシュ(Moulik Nagesh)氏は書いている。

これは、レンディング、ステーキング、ステーブルコイン、分散型取引所(DEX)に焦点を当てた金融アプリケーションの使用により、「ビットコインの資本効率を解き放つ」セクターだと報告書は述べている。

DeFiとは、従来の仲介者を必要とせずにブロックチェーン上で実施されるレンディング、トレーディング、その他の金融活動の総称だ。

バイナンス・リサーチは、現在、ビットコイン供給量のわずか0.8%程度しかDeFiで使用されていないと指摘し、これは大きな「未開拓の機会」だと述べた。実際、2024年、フランクリン・テンプルトン・デジタル・アセット(Franklin Templeton Digital Assets)のディールアナリストであるジュリアン・ラブ(Julian Love)氏は、その機会は1兆ドル(約150兆円、1ドル=150円換算)に達する可能性があると述べた。

バイナンス・リサーチによると、ビットコインはスマートコントラクトベースのレイヤー1ネットワークとは異なり、「ネイティブなプログラミング」機能が欠如しているため、レイヤー2を必要としている。レイヤー1は、ブロックチェーンのベースレイヤー、つまり基盤となるインフラである。レイヤー2は、レイヤー1の上に構築されたオフチェーンシステムまたは独立したブロックチェーンのセットを指す。

ビットコインのレイヤー2ネットワークの開発にはある程度の進展が見られるものの、これらのプラットフォームが効果的にスケールアップするには、より多くの採用と流動性インセンティブが必要だとバイナンス・リサーチは述べている。

ブロック報酬は今後も半減し続けるため、マイナーのインセンティブが低下し、ネットワークのセキュリティモデルは「長期的な持続可能性の課題」に直面していると報告書は述べている。

そして、ビットコインDeFiの長期的な存続の可能性は、実行、レイヤー2のさらなる開発、「ビットコイン独自の価値提案に沿う能力」に依存すると付け加えている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Bitcoin’s Role in DeFi Is ‘Untapped Opportunity,’ Binance Research Says