ビットコイン、8万4000ドルまで上昇──暗号資産が再び下落する可能性を警告するアナリストも

- 暗号資産(仮想通貨)市場は3月17日、米国株式とともに緩やかに上昇し、広範な市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは過去24時間で2.4%上昇し、ビットコイン(BTC)は約8万4000ドルで取引されている。
- 現在は安値から反発しているにもかかわらず、LMAXのジョエル・クルーガー(Joel Kruger)氏は、米国株が持続的に調整されれば、ビットコインは2024年3月のトップレンジである7万3000~7万4000ドルまで引きずり下ろされる可能性があると述べた。
- 市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が今週、金利を据え置くことを十分に予想しているが、政策立案者らはFRBのバランスシート縮小を一時停止または中止する可能性があると、コインベース・インスティチューショナル(Coinbase Institutional)のデービッド・デュオン(David Duong)氏は述べた。
米国株式は3月17日、また好調な1日を迎え、リスク資産を持ち上げる上昇が拡大する中、暗号資産市場も値上がりし、ビットコインは8万4000ドルを超えて取引された。
ビットコインの過去24時間の上昇幅は1.8%であった一方、広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは同期間に2.4%上昇し、わずかにアウトパフォームした。
イーサリアム(ETH)は1900ドル超えで安定し、2.8%上昇、スイ(SUI)、アーベ(AAVE)、インターネットコンピューター(ICP)、ニア(NEAR)を含むいくつかの主要アルトコインは5%以上の上昇を記録した。
機関投資家に特化したシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)でのソラナ(SOL)先物取引初日は投資家心理に変化をもたらすことはできなかったが、ソラナは市場全体と連動して3%高となった。
エセナ(Ethena)のガバナンス・トークン、ENAは、トークン化された資産発行会社セキュリタイズ(Securitize)と独自のブロックチェーンを開発し、分散型金融(DeFi)と伝統的金融機関をつなげることをを目指すというニュースを受けて7%上昇した。
米国の主要株価指数が今週に入っても上昇を続け、リスク資産にとっては好材料となった。しかし、LMAXグループのストラテジスト、ジョエル・クルーガー氏は、S&P500の月足チャートは米国株の持続的な調整を示唆しており、暗号資産に重荷となる可能性があると警告している。
「世界的な貿易摩擦の状況や米経済の減速懸念、FRBがこれ以上どこまで緩和策を提供できるかが不透明になっている現状を考えると、株価がさらに下落する懸念がある」と、クルーガー氏は述べた。
クルーガー氏によると、ビットコインのロウワーロウ(さらに安い安値)が、2024年3月のピーク7万3000~7万4000ドルまで再び下がる可能性がある。
今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBは金利を据え置くとの見方が市場ではほぼ一般的だが、投資家はFRBのバランスシート縮小、つまり量的引き締めプログラムに変更が生じる可能性を注視すべきだと、コインベース・インスティチューショナルのリサーチ責任者、デービッド・デュオン氏は述べた。
「FRBは今週、量的引き締めプログラムを一時停止または終了する可能性があると我々は考えている。FRBの準備水準は、金融の安定を維持するのに十分であると一般的に考えられているGDPの10~11%の水準に近いからだ」と、デュオン氏は17日のレポートに書いている。
デュオン氏は、最近の暗号資産の暴落は、マクロ的な懸念と流動性の悪化が主な原因であり、次の四半期中に好転し、資産価格に追い風となる可能性があると述べた。
「暗号資産価格は今後数週間で底を打ち、今年中に最高値を更新する可能性がある」と、デュオン氏は結論づけた。
|翻訳・編集:山口晶子
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|原文:Bitcoin Edges Higher to $84K as Analyst Warns of Another Leg Down for Crypto