DOGE、XRP、3%下落──トレーダーはFRBの金利決定を注視
  • 3月18日の暗号資産(仮想通貨)市場は、ほとんど変動のないところから下落し、ドージコイン(DOGE)やエックス・アール・ピー(XRP)などの主要トークンが比較的小幅に値下がりした。
  • ビットコイン(BTC)トレーダーは19日の連邦公開市場委員会(FOMC)に注目しており、金利に関する決定次第では暗号資産市場に影響を与える可能性がある。
  • アナリストらは、米連邦準備制度理事会(FRB)がハト派的なシグナルを発した場合、ビットコイン上昇の勢いに火がつき、アルトコインも上昇する可能性があると指摘している。

暗号資産市場は3月18日、ほとんど変動のないところから下落に転じ、ドージコインとXRPが過去24時間で3%強の値下がりと、主要トークンの中では最も大きく下落した。

広範な暗号資産市場のベンチマークであるCoinDesk 20 Indexは、2%下落した。

ビットコイントレーダーがおおむね、19日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)の会合に備えていることに伴って、ボラティリティが欠如した。FOMCは金融政策の基調を定めるもので、暗号資産を含むリスク資産に影響を与える可能性がある。

米連邦準備制度理事会(FRB)による金利決定(4.25%~4.50%に据え置かれるとの見方が有力)、およびパウエル議長のコメントは投資家心理を揺さぶる可能性がある。

タカ派的なスタンスは、政策の引き締めや利下げ路線の鈍化を示唆するため、ビットコインを圧迫し、アルトコインの値下がりがより大きくなる可能性がある。逆に、将来の緩和を示唆するハト派的な姿勢は、安堵のラリーを引き起こす可能性がある。

「米国は、政府支出が成長を促進した財政支配(フィスカル・ドミナンス)から、トランプ大統領が推進する財政赤字削減へと軸足を移しているため、今週水曜日に利下げが行われる可能性は極めて低い」と、デジタル資産取引会社QCPキャピタル(QCP Capital)のトレーダーらは18日に指摘し、次のように続けた。

「このシフトにより、金融政策に負担がかかることになる。サプライズ的な金利引き下げは見込んでいないが、パウエル議長がハト派的なシグナルを出せば、上昇のきっかけになるだろう」。

「ナスダックやビットコインのようなトランプ主導のモメンタムトレードから、長い間見過ごされてきた欧州や中国市場に資金が移動している可能性がある。歴史的に、暗号資産価格の変化は世界の流動性状況の変化に遅れをとる」と、QCPキャピタルのトレーダーらは付け加えた。

分散型オンチェーン銀行WeFiのアグネ・リンゲ(Agne Linge)氏は、投資家がインフレ、貿易戦争、地政学的緊張をめぐる不確実性に直面しているため、暗号資産の恐怖と貪欲指数は22(「極度の恐怖」を示す)で、より広範な市場のボラティリティは高いままであると指摘した。

「米国では先週、S&P500とナスダック総合指数が4週連続の下落を記録し、ダウ平均は3.1%下落し、過去約24カ月で最悪の週間出来高を記録した。前週は異例の下げとなったが、今月いっぱいはさらなる不透明感が待ち受けている」とリンゲ氏は述べ、マクロ経済的な逆風が吹けば、最終的にビットコイン価格が下落する可能性があると指摘した。

暗号資産リサーチ会社ビットゲット・リサーチ(Bitget Research)のチーフアナリスト、ライアン・リー(Ryan Lee)氏は、ビットコインは依然として狭いレンジにあり、トレーダーが米国の金利決定に対してどのように反応するかによって、7万5000ドルまたは9万ドルへの動きが同じように起こり得ると述べた。

「ビットコインの最近の下落で、トレーダーは8万2000ドルと8万5000ドルの間の主要なサポートレベルに注目している。これは典型的なラリー後の保ち合い局面であり、健全ではあるが、最近の勢いが本当に持続力を持つかどうかのテストでもある。FOMCから予期せぬ動きがあれば、市場に水を差す可能性がある」とリー氏は述べ、次のように続けた。

「センチメントが弱気に転じた場合、ビットコインは7万5000ドルから8万ドルに向かって下落する可能性があるが、マクロ的な背景が強気であれば、9万ドルまで上昇する可能性がある」。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:FRBのパウエル議長(Domenico Fornas / Shutterstock.com)
|原文:DOGE, XRP Down 3% as Bitcoin Traders Eye Wednesday Fed Decision