アークのキャシー・ウッド氏、同社のファンドをトークン化したいと発言

- アーク・インベストのキャシー・ウッドCEOは、アメリカの規制が許すのであれば、同社のファンドをトークン化したいと述べており、資産のトークン化のトレンドが拡大していることを強調している。
- アーク・インベストの大株主であるコインベースもセキュリティトークンの発行を模索しているが、アメリカ証券取引委員会(SEC)との協議が継続中のため、具体的な計画は立てられていない。
- 2030年までに市場規模が数兆ドルに成長するとの予測があるにもかかわらず、アメリカでは規制の不透明性がトークン化の取り組みを妨げ続けている。
暗号資産(仮想通貨)への投資をいち早く開始した伝統的金融投資家の一人であるアーク・インベスト(Ark Invest)のキャシー・ウッド(Cathie Wood)CEOは、アメリカでの規制環境が整い次第、同社のファンドの一部をオンチェーン化したいと考えている。
「トークン化は大きなものになるだろうと考えている」とウッド氏は3月18日にニューヨークで開催されたデジタル・アセット・サミットで述べた。「当社のベンチャーファンドや(デジタル・アセット)レボリューション・ファンドをトークン化できればと考えている」。
「規制は、それを可能にする方向に開かれ始めていると思う。だから、この機会を逃したくない」と、彼女は付け加えた。
アメリカの規制当局は、セキュリティートークンの登録に関する明確な枠組みや規則をまだ提示しておらず、2030年末までに数兆ドル規模の市場になる可能性があると一部で考えられている急成長中の分野で、アークのような企業が商品を立ち上げるのは難しい状況だ。
アークの大株主であるコインベース(Coinbase)の経営陣も以前、同様の見通しを示唆したが、各社がトークン化で存在感を示そうとしているため、その見通しは漠然としていた。
3月初めのモルガン・スタンレー(Morgan Stanley)の「Tech, Media & Telecom 2025」カンファレンスで、コインベースの最高財務責任者(CFO)のアレシア・ハース(Alesia Haas)氏は、同社がアメリカ証券取引委員会(SEC)とセキュリティトークンの発行について協議中だと述べた。2020年にコインベースは、そのような製品を上場しようとしたが失敗に終わった。
コインベースが構築したイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ネットワークであるBaseの創設者であるジェシー・ポラック(Jesse Pollack)氏は、その後のXの投稿で、コインベースの株式をトークン化する「具体的な計画」はないと述べた。
「我々は現在、模索している段階にあり、コインベース株のような資産を安全に、コンプライアンスを順守し、将来を見据えた方法でBaseに導入するために、規制の観点から何を解除する必要があるかを理解しようと取り組んでいる」と彼は述べた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ニューヨークで開催されたデジタル・アセット・サミットで、バーチャルに講演するアーク・インベストのCEO兼CIO、キャシー・ウッド氏。(Danny Nelson)
|原文:Ark Invest’s Cathie Wood Says She Wants to Bring Company’s Funds On-Chain