金融規制当局への登録に失敗した韓国の仮想通貨取引所の社長たちは、すぐに刑務所に行くことになるかもしれない。
11月21日、韓国の議会問題修正小委員会は特別金融取引情報法の修正案を可決した。これは仮想通貨取引所に金融委員会(FSC)への登録を求めるものだ。CoinDesk Koreaの記事によると、違反すると最高5年の懲役もしくは5000万ウォン(約460万円)の罰金が科せられる。
マネーロンダリング対策を強化
修正案は業界を金融活動作業部会(FATF)の国際的なマネーロンダリング対策ガイダンスに従わせることが目的、仮想通貨取引所は違反を避けるためにいわゆる、実名のバーチャル銀行口座(取引所の銀行口座の中に作られるユーザーごとの口座)が必要となる。
記事によると、野党議員は実名のバーチャル銀行口座を持たない取引所は閉鎖を余儀なくされ、国内の仮想通貨業界のさらなる縮小につながると懸念を示した。
2018年はじめ、FSCは匿名のバーチャル銀行口座を禁止、その結果、銀行との契約を通して実名のバーチャル銀行口座を持つ取引所はビッサム(Bithumb)、アップビット(Upbit)、コービット(Corbit)、コインワン(Coinone)の4つのみとなった。
実名のバーチャル銀行口座をまだ持たない仮想通貨取引所GopaxのCEO、Lee Jun-haeng氏はシステムが公平である限り、この変更は「健全な」市場を生み出すと述べた。
健全な金融システムへ
特別金融取引情報法は、最終的には業界が規制上のグレーゾーンから抜け出し、銀行のような認可を受けた金融システムになることを意味するとCoinDesk Koreaは伝えた。
「消費者保護と安定した市場の発展における最初のステップになると期待されている」と韓国ブロックチェーン協会の事務局長Jae-Jin Kim氏は述べた。
記事によると新たな修正案を含むこの法律は議会を通過する見込み。しかし修正案は他の政府機関のレビューを経て、さらに変更される可能性がある。
翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:South Korea Takes Legal Step to Stamp Out Unregistered Crypto Exchanges