村上隆氏、総取引76億円のNFT「MURAKAMI.FLOWERS」技術パートナーを買収

現代アーティストの村上隆氏が代表を務める有限会社カイカイキキは4月2日、NFTやWeb3関連サービスを提供する米国企業NiftyKitの全株式を取得し、完全子会社化したと発表した。

NiftyKitはロサンゼルスを拠点とし、NFTの発行・管理・販売支援プラットフォームを開発。これまでカイカイキキは同社に出資し、総取引額約2万8000ETH(約76億円、1ETH=27万円換算)を記録する世界的人気コレクション「MURAKAMI.FLOWERS」などのNFTプロジェクトで技術パートナーシップを締結してきた。

[「MURAKAMI.FLOWERS」NFT OpenSeaから]

両社の協業実績には、独自のスマートコントラクトを活用したNFT発行や、Kaikai Kiki Marketplaceの構築、京都市などの自治体と連携したふるさと納税プラットフォームの開発・運営などがある。

村上氏は「NFT ARTに気づいたのは、Beepleのクリスティーズのオークションでした。未知のNFTが突然、ジェフ・クーンズを超える価格となり、見知らぬアートのコミュニティが存在することを知り、学習を始めました。NiftyKitとカイカイキキの融合は、クリプトと芸術、メタバースと現実界での精緻なものづくりが、日本のサブカル風味で融合され、新たな芸術の価値を生み出していると自負してます」と述べ、「今回の2社の合体による新しい成果を近日中にお見せしますので、ご期待ください」と続けている。

今回の買収により、カイカイキキはNFTおよびブロックチェーン技術を基盤とした新規プロジェクトの開発を加速させる方針だ。

なお、村上氏はスポーツメーカー大手のナイキ(Nike)傘下のRTFKT(アーティファクト)とコラボレーションしたNFTプロジェクト「CloneX」でも知られている。このRTFKTは2025年1月に事業終了した。

|文:栃山直樹
|画像:リリースから