米CPI、3月は伸び鈍化──5月の利下げは見送りか

- 米CPI(消費者物価指数)の上昇率は3月、予想を大幅に下回った。
- 発表を受けて、ビットコインは小幅に上昇。
- 現時点では、FRB(米連邦準備制度理事会)は金利を据え置くと市場は予想している。
米CPI、つまり米国のインフレ率は3月、予想を大幅に下回った。コアCPIはわずかに上昇した。これを受けて、FRBが次回(5月)の会合で金利引き下げを再開するかどうかという議論が再燃しそうだ。
米CPI(消費者物価指数)は3月、前月比0.1%下落した。エコノミストは、2月の前月比0.2%上昇に続いて、0.1%の上昇を予想していた。前年比では、予想の2.6%および2月の2.8%上昇に対して、2.4%上昇にとどまった。
食品とエネルギーを除いたコアCPIは、予想の前月比0.3%と2月の0.2%をに対して、0.1%上昇にとどまった。前年比では2.8%上昇、予想の3%と2月の3.1%を大きく下回った。
CPI発表後の数分で、ビットコイン(BTC)は8万2000ドルをわずかに上回るところまで上昇した。
10日朝に発表されたCPIは、まだトランプ大統領の関税政策の影響を受けていない。当初、市場は5月に予定されているFRBの次回の会合で利下げが行われると予想していた。
しかし、トランプ大統領の厳しい関税政策の発表と市場の下落、その後の予想外の猶予の発表を受けた市場回復を受けて、CPI発表前には利下げの可能性はわずか17%にまで低下した。現時点では、6月のFOMC(連邦公開市場委員会)に注目が集まっており、25ベーシスポイント以上の利下げが行われる可能性は75%に達している。
今後は、11日に発表される米PPI(生産者物価指数)が注目され、5月のFRBの政策への予想を左右する可能性がある。
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
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|原文:U.S. CPI Declined in March; Core Rate Rose Just 0.1%.