ブロックチェーンを用いたID識別の管理市場は9年で100倍以上に伸び、2026年には約114.6億ドル(1兆2440億円)規模になる──。米国の調査会社アライドマーケットリサーチが12月4日に発表した調査で、ブロックチェーンを用いたアイデンティティ(ID)管理の成長余地が明らかになった。
年79%成長、26年には1兆2400億円規模に
同社が発表した『Blockchain Identity Management Market by Service Providers, Organization Size, and Industry Vertical : Global Opportunity Analysis and Industry Forecast, 2019–2026』によると、2018年のブロックチェーンID市場は1億700万ドル(116億円)だが、2026年には約114.6億ドル(1兆2440億円)規模になると予想。年平均で79.2%ずつ伸びるという。地域別では、アジア・太平洋地域が最高の年89.7%の成長をするという。
その要因として、取引の透明性の向上や、品質や信頼性、製品保証を確保する必要性の急増、小売産業による投資の増加があると指摘。ブロックチェーンを用いたID識別管理により、企業間でのプライバシーおよびセキュリティを確保し、企業間で信頼と取引の透明性を確立する目的があると見られるという。
ブロックチェーン需要を高め、市場を拡大させる要因として、大企業に存在する、伝統的なビジネスモデルからデジタルなビジネスモデルに移行する必要性のほか、小売業者のデータセキュリティへの懸念と顧客の要望などを挙げている。
文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:リリース資料より