- ビットコインの週足チャートは、50週と100週の移動平均線による強気のゴールデンクロスを伝えている。幅広く利用されているが、価格に遅れるこの指標は、現在、広範な市場状況が弱気な中、買い手を引きつけることはできない可能性がある。
- 日足チャートで短期的な強気反転を確かめるには、7870ドル(約85万円)超えの終値が必要。
- ビットコインは、アジアの取引時間帯に弱気な週間平均抵抗線での拒絶に直面し、7087ドル(約77万円)での重要な支持線まで落ちるリスクを冒している。
ビットコインの長期的なチャートは、3年以上ぶりに明確な強気市場のサインを送っている。
週足チャートでは、50週移動平均線(MA)が100週移動平均線を超え、「ゴールデンクロス」としてよく知られている状況が出現した。ビットスタンプ(Bitstamp)のデータによると、ゴールデンクロスが前回確認されたのは2016年の5月のことだ。
ゴールデンクロスは、特定のタイムフレーム(日足、週足、月足)において短期の移動平均線が長期の移動平均線を超えた時に現れるもので、来たるべき強気市場に先立つ警告と考えられている。
しかし移動平均線のクロスオーバーは価格に遅れる指標であり、優勢となっている傾向を確認するに過ぎない。そのため、以前述べた通り、予測能力には限りがある。
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それでも、クロスオーバーは幅広く利用されている指標であり、下図に見られる通り、広範な市場の状況が支持するなら、かなりの量の買いを引きつけることができる。
週足チャート
左上のチャートの通り、ビットコインは、2015年11月8日までの11週間で198ドルから502ドルへと150%以上も上がり、概ね360ドルから470ドルのレンジに収束した後、2016年5月にクロスオーバーが出現し、次なる価格上昇を始めた。
先立つ構造がポジティブ──高めの安値と収束──だったため、クロスが買い手を引きつけた可能性は高かった。
さらに、2016年8月の半減期の3カ月前に強気クロスが起きた。6月20日までには、ビットコインは120%以上上がり、775ドルを超えた。
右上の最新の強気クロスは、2020年5月に予定されている次の半減期の5カ月前に現れた。しかし、モルガン・クリーク・デジタル(Morgan Creek Digital)の共同創業者兼パートナー、ジェイソン・A・ウィリアムズ(Jason A. Willioams)氏を含む多くの専門家は、半減期は2019年を通して広く議論されており、価格に織り込み済みと考えている。
また、先立つ市場構造は弱気だ。ビットコインは4カ月間の下落チャネルに捉えられており、強気クロスは主に、4月から6月の4000ドルから1万3880ドルへの急激な上昇の結果だ。
全体として、ゴールデンクロスのすぐ後に強力に強気スタンスを取ることは犠牲が大きいかもしれない。
より強い上昇の動きという主張は、価格が11月29日の高値7870ドルで受け入れられれば強まるだろう。当記事執筆時点、ビットコインはビットスタンプで7470ドルで取引されている。
日足チャート
ビットコインは12月4日、下降するトレンドラインの抵抗線を割った。しかしこれまでのところ、多くの買い手を招き入れることにはなっていない。
低めの高値という設定が間違っていることを示し、強気の反転を確認するためには、11月29日の高値7870ドルを超えて取引を終了する必要がある。そうなれば、8500〜8672ドル(1万350ドルから6511ドルへの下落のあや戻し)への素早い上昇をもたらす可能性が高い。
下落サイドでは、主要支持線は7087ドルにある。そこを割れば、12月4日に出現した弱気の逆ハンマーの正しさを示し、6500ドル近くの最近の安値への下落につながる可能性が高い。
週足チャート
ビットコインは12月9日のアジアでの取引時間に、下降する(弱気の)5週間移動平均線で7561ドルでの拒絶に直面し、7087ドルでの支持線まで下降するリスクを冒している。
週足チャートに基づく見通しは、4カ月間の下降チャネルがより高いサイドへと超えた時に強気に転じるだろう。それは、4月初旬に始まった4000ドル近くの安値からの価格上昇の継続を示唆するだろう。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Bitcoin Charts First Weekly Golden Cross in 3.5 Years