ブロックチェーンを装った仮想通貨に注意──中国・威海市、投資家に警告

中国東部の山東省にある港湾都市、威海市は投資家に対して厳しい警告を突きつけた。ブロックチェーンを装った仮想通貨ではなく、ブロックチェーン・イノベーションに本当に投資していることを確認するようにと。

威海市の金融監督当局は12月13日(現地時間)に声明を発表し、違法な仮想通貨の発行や取引が増加しているため、投資家はより慎重になる必要があると述べた。

仮想通貨取引や新規コイン公開(ICO)は、2017年から中国では違法とされているが、ブロックチェーンは習近平国家主席によって推奨されている。

だが政府は、ほとんどはブロックチェーン・スタートアップの装った多くの企業が仮想通貨取引所を立ち上げ、トークンセールを通じて資金を集めていると述べている。

「国がブロックチェーン技術を推進することに伴い、人々は再び仮想通貨を過剰に宣伝し、複数の関連する違法事業が復活している」と威海市の金融監督当局は声明で述べた。

警察、中央銀行の威海市支店、中国銀行監督管理委員会など、他の地元当局もこの声明を支持し、違法ICOや仮想通貨取引所の捜査を計画している。

「中国国外にサーバーを置き、ソーシャルメディアで中国人投資家に商品を宣伝する企業もある」と威海市当局は述べた。

「それらの企業は通常、オンライン決済アプリケーションを通じて取引を処理するため、その資金の多くは海外にあり、回収は難しい」

声明によると、仮想通貨取引所の中には有名人の推薦や、よく使われているが複雑な技術的コンセプトを使って投資家を集め、仮想通貨の価格や現金引き出し制限額を操作することで利益を出しているところもある。

また、投資を集めるための他の違法な活動には、ポンジ・スキーム(出資金詐欺)や偽の情報で仮想通貨の高評価を約束するものなどがある。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Photo by Shutterstock
原文:Chinese City Warns Investors: Crypto Isn’t Blockchain