富士通は2019年1月30日、ピーク時間帯の電力供給の安定化を高めるため、ブロックチェーンを活用した企業と消費者間の電力取引システムを開発したと発表した。
富士通によると、電力卸取引などを手掛けるエナリス(ENERES)の協力を受け、電力取引システムをテストした結果、電力会社と需要家が協力して電力の使用量を調整するデマンドレスポンス(DR)の成功率が従来に比べて40%向上した。現在、同システムは特許出願中だという。
DRは電力使用のピーク帯に、電力会社の要請を受けたアグリゲーター(事業者)が各需要家と1対1のやり取りを行い、需要家ごとの節電量をコントロールする方法。要請通りに節電が達成できた場合は、需要家は報酬を受け取れる。だが、富士通によると現行システムは改善の余地があるという。
富士通が今回開発したシステムは、ブロックチェーンを活用し、電力需要のピーク帯に売り要求から融通可能な電力の総量を計算し、買い要求と素早いマッチングを可能にする。
同社はまた、エネルギーを無駄にせずにオーダーに対応する技術も開発したと発表した。
富士通はこれまでも、複数のブロックチェーンを応用したツールやシステムを構築してきた。昨年10月には、少額取引のコスト低下につながる、ブロックチェーンを活用した銀行間決済システムを発表。
昨年6月には、店舗向けにクーポンやポイントのような販促ツールをトークン化できる、ブロックチェーンを活用したデータ保管システムを発表した。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真: Fujitsu image via Shutterstock; Chart courtesy of Fujitsu
原文:Fujitsu Claims 40% Efficiency Boost for Blockchain Electricity Exchange