中国のデジタル通貨電子決済(DCEP)、いわゆる「デジタル人民元」の開発は大きく前進した。同国の中央銀行にあたる中国人民銀行が発表した。
1月9日(現地時間)の声明で、同行は「トップレベルのデザイン、業界標準の設定、想定される機能の開発、そして統合テストのプロセス」は「ほぼ完了した」と述べた。
同行は、現金を置き換えるために「制御可能な」匿名性と機能を提供する予定の2層のシステムに取り組んでいると述べた。
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中国人民銀行は、2014年にデジタル通貨の研究を行う特別タスクフォースを結成し、デジタル通貨研究所を設立した。フェイスブックがリブラ構想を発表した2019年6月以降、デジタル人民元の取り組みを加速させた。
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同行は、デジタル人民元はスマートフォンを使ったオフラインでの決済などの機能といった主要な技術的な機能では、リブラを上回っていると考えている。また同行は、デジタル人民元の大きな目標の1つは、手数料や多くの時間が必要となる仲介業者を通さずに、国境を超えた決済を実現することで、人民元の国際化を促進することにあると述べた。
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中国人民銀行は、デジタル人民元がいつ完成するかについては言及していない。
翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:shutterstock
原文:China’s Central Bank: Here’s the Latest on the Digital Yuan