シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物のオプション取引は1月13日(現地時間)、幸先の良いスタートを切り、初日の取引契約数は55件に達した。
55件という数字は、1契約が5ビットコインとなるため、275ビットコイン、つまり約230万ドル(約2億500万円)の想定元本となる。また、ビットコインとイーサリアムのデリバティブについてのデータ分析を行うSkew.comが指摘した通り、初日はコールオプション(買う権利)のみが取引された。
オプション取引とは、保有者に満期日もしくは満期日以前に、あらかじめ定められた価格(権利行使価格)で、ある商品を売買する権利を与えるデリバティブ(金融派生商品)。権利は義務ではなく、放棄することもできる。コールオプションは保有者に購入の権利を、プットオプションは売却の権利を与える。
機関投資家の参加を促進
ビットコインのオプション取引の成長は、ビットコインにとって良い動きと広くアピールされている。機関投資家の参加を促し、ビットコインが成熟した資産クラスへと進化させる可能性があるためだ。
インターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange:ICE)の子会社である、機関投資家向け取引プラットフォームのバックト(Bakkt)は2019年12月9日、ビットコイン・オプション取引をローンチしたが、初日はほとんど取引が行われなかった。CMEの初日の取引高はバックトのデイリーの取引高の2倍近くとなった。
またCMEのオプション取引高は急速に増加する可能性もある。CMEは堅固で流動性の高い、ビットコイン先物市場を持っているためだ。
「オプション商品が成功するためには、堅固で流動性の高い原資産先物市場が必要。我々のCMEビットコイン先物はここ2年間で急速に進化し、世界で最も流動性のある上場済みビットコイン・デリバティブ商品の1つとなった。2019年のデイリーの平均取引高は約6400件(3万1850BTC相当)だった」とCMEグループのマネージング・ディレクター、ティム・マコート(Tim McCourt)氏はリンクトイン(LinkedIn)の投稿で述べた。
オプション取引の開始に先立って、CMEのビットコイン先物は大きく成長した。未決済の建玉と呼ばれる、トレーダーが保有するオープンポジションの数は、2020年の最初の4日の取引で5000件以上(2万5000BTC以上に相当)も増加した。
※筆者は現在、デジタル資産を保有していない。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Tim McCourt
原文:CME’s Bitcoin Options See First-Day Volume of $2.3M