シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物の未決済建玉(オープン・インタレスト)は2020年の最初の数日で2倍になった。データ分析企業スキュー(Skew)が指摘した。
オプション取引のローンチで活発化
1月17日(現地時間)、CMEの未決済建玉は5329件、約2億3500万ドル(約260億円)となった。2019年12月初旬は1億1000万ドル(約120億円)だった。
未決済建玉はビットコイン価格とともに急増し、上昇傾向を確かなものにしている。ビットコインは12月中旬、6430ドル付近で底を打ち、1月19日には2カ月半ぶりの高値となる9188ドルまで上がった。当記事執筆時点では、8600ドル(約95万円)付近で取引され、年初以来20%上昇した。
ビットコイン先物市場では、オプション取引のローンチに向け取引が活発化した。未決済建玉は、週の最初の4日間で5000件以上に達した。
さらに、1万7000件(8万5000BTCに相当)を超える契約が1月8日に取引された──この日はオプション取引が開始され、初日の取引高は55件、230万ドルとなった。
オプション取引の取引高は1月17日、2倍以上の122件となった。1契約は5BTCとなるため、610BTC、つまり530万ドル(約5億8000万円)の想定元本となった。
機関投資家の参入
「ビットコインは、現在まで250万件近くの取引が行われ、1日の契約件数は4900件以上と、取引高においても顧客の関心においても素晴らしい成長を見せている」とCMEは12月17日、ツイートした。
さらに2019年、CMEでは1日あたり約6400件(3万1850BTC)の先物が取引された。
CMEにおいて増え続ける数値は、ビットコインに対する機関投資家からの関心の高まりを反映している可能性があり、また成熟した資産クラスとしてのビットコインの進化を加速させるかもしれない。
「CMEの商品はここ2年間で進化し、今では世界的に最も流動性がある、上場されたビットコイン・デリバティブの1つとなった。機関投資家、実際にビットコインを保有するトレーダー、そしてCMEグループのような認可を受けた取引所のみが提供できる透明性、価格発見、リスク転嫁を高く評価する他のクライアントによる力強い参加が見られる」とCMEグループのマネージング・ディレクター、ティム・マコート(Tim McCourt)氏は12月、リンクトイン(LinkedIn)の投稿で述べた。
ブルームバーグも、ヘッジファンドや年金基金、寄付基金などの機関投資家からの仮想通貨への需要の高まりを伝えている。
他の取引所においても、ここ数カ月で取引が活発化している。スキューによると、世界中での先物の合計取引高は1月14日、250億ドル(約2兆8000億円)を大きく上回った。この日は2019年10月26日以来、取引が最も活発な1日となった。
翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:CME Open Interest for Bitcoin Futures Up 100% Since Start of 2020