ビットコイン価格指標、8月以来初の強気トレンドへの反転間近
  • ビットコインがこの先の数週間で1万ドル(約110万円)を超える可能性は、週足のMACD指標が2019年8月以来初めて強気に転じつつある中、強まっているようだ。
  • ビットコインは2日間続けて、8460ドル〜8750ドル(約93万円〜96万円)の間で推移した。このレンジを割れば、8200ドル〜8000ドルへと急速に下落するする可能性もある。
  • だがこのレンジを突破すれば、200日移動平均線は9015ドル(約99万円)に届くことになる。

広く見守られているビットコイン価格の指標が、5カ月ぶりに強気傾向を示そうとしている。

トレンドの強さと反転を測るために使われるテクニカル分析ツールのMACD(移動平均収束拡散法)指標は来週、週足でゼロを上回ると見られている。

そうなれば、下図が示す通り、2019年8月中旬以来初めてのプラス(強気)の指標となる。

MACDのプラスへの反転は、弱気トレンドから強気トレンドへの変化を確認するものと考えられている。一方、マイナスへの反転は、弱気への反転のサインと捉えられている。

さらに、ゼロを超えて続く高いグラフは強気の勢いが強まっていることを、マイナスのグラフの連続は弱気トレンドが深まっていることを意味する。

強気の罠?

経験豊富なトレーダーは、MACDは価格推移に遅れを取る指標と述べる。MACDは移動平均線に基づいており、予測される強気の反転は2018年のように買い手を誤った方に導く可能性がある。

2018年9月、MACDはゼロを超え、強気への反転を示した。しかし、それは強気トレンドに刺激することはなく、ビットコインはその後5週間、6000ドル超え付近で横ばいとなり、11月中旬には5000ドル割れへと急激に下落した。

つまり、MACDの強気の反転は強気の罠となった。

しかし当時、市況はかなりの弱気トレンドにあった。ビットコインは2017年12月に2万ドルに達して以来、低迷を続けた。2020年の状況は今のところ、当時とかなり違っている。

2019年7月の1万3880ドルからの急落は、12月中旬の6400ドル付近で勢いを失い、ビットコインは以降、良い動きを示している。さらに重要なことに、ビットコインは2週間前に下落チャネル(上図の上の2本線で囲まれた範囲)を抜け、2019年4月の4100ドルからの上昇の再開を示した。

さらに、歴史的に価格を上昇させてきたマイニング報酬の半減期(ビットコインの供給の削減)が5月に予定されている。

結果として、MACDの近々のゼロ超えは、強気トレンドを強化し、10月に記録した高値1万350ドルへの上昇の可能性を高める可能性がある。

この後は、1月19日の安値8461ドルが強気トレンドを強める目安となる。

4時足チャートではビットコインは、横ばいとなっている。

8461ドルを割れば、19日の高値9188ドルから、8200ドルと8000ドルの主要支持線への下落への扉が開く。

8461ドルはまた、1月19日に見られた弱気の「つつみ足(アウトサイドデイ)」でもあることは要注目。つまり、その水準を下回る動きは、ロウソク足が示唆する強気の疲弊が証明され、より強い売り圧力を招く。

高値側では、8750ドルのチャネル抵抗線を超えれば、注目は9000ドルに移る。

当記事執筆時点、ビットコインはビットスタンプ(Bitstamp)で8640ドルで取引されている。CoinDeskのビットコイン・プライス・インデックス(Bitocoin Price Index)による世界平均価格は8650ドルとなっている。

※筆者は当記事執筆時点、仮想通貨を保有していない。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
原文:Bitcoin Price Indicator Eyes First Bullish Turn Since August