米商務省経済分析局(BEA)は、アメリカのすべての金融サービス企業に対するベンチマーク調査の変更案を提出した。仮想通貨に関連した国際サービスに携わっている企業を特定することがその目的だ。
BEAが5年ごとに実施する調査「BE-180 アメリカの金融サービスプロバイダーと外国人の間の金融サービス取引のベンチマーク調査(BE-180 Benchmark Survey of Financial Services Transactions between U.S. Financial Services Providers and Foreign Persons)」の広範な変更に沿って仮想通貨に関する提案が実施された場合、海外での仮想通貨の普及についての商務省の統計はより正確なものになるだろう。
調査は証券会社、プライベートエクイティファンド、カストディサービス、金融アドバイザリー、さらにBEAが広く「金融サービス」と定義するものに含まれる多くの企業が対象。BEAは7000社が回答すると推測している。
「BEAは、取引カテゴリーで報告された2019年の国際金融サービスのうち、仮想通貨関連のものを特定するために質問を1つ加える予定」と規則変更案には記載されている。
個々の取引情報は対象外
だが、その質問は個々の取引情報を収集するものではないとBEAのクリストファー・ステイン(Christopher Stein)氏は語った。仮想通貨資産の国際取引を行っている証券会社はその実施を示すだけで、取引金額といった詳細情報は対象外となる。
「我々は具体的な仮想通貨資産に関するデータは収集していない」と同氏は語った。
「我々はこうしたサービスに関連した個々の金額データを収集するのではなく、例えば、仮想通貨取引に関連した仲介手数料は調査対象と強調しているに過ぎない」
直近では2015年にBE-180調査が実施された際、仮想通貨取引については言及されなかったが、それでも調査対象に含まれていたとステイン氏は述べた。仮想通貨が発展するにつれて、提案される定義は官僚的に明確化される。
「金融サービス市場において新たに発展を続ける分野であり、ベンチマーク調査は多くの情報を求め、調査要件を明確にする機会」とステイン氏は述べた。
規則変更によって「BEAは統計を国際ガイドラインにさらに厳密に合わせることができる」ようになる。データはアメリカおよび国際的な金融サービスを「監視」し、取引を促進し、「アメリカ企業が市場機会を見つけて評価する」ことをサポートすると提案書には記されている。
翻訳:下和田 里咲
編集:増田隆幸
写真:Image via Jer123 / Shutterstock
原文:US Commerce Dept. Wants to Survey Firms on Cross-Border Crypto Usage