新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大から、リモートワークの動きや、ブロックチェーン関連のイベントを含むあらゆる行事のオンライン化が広がっている。こうした機会ではAR(拡張現実)・VR(仮想現実)の利用も拡大しそうだが、どのような影響があるのだろうか。
調査会社IDCは3月18日、AR・VR機器に関する予測を発表した。新型コロナウイル子の感染拡大からサプライチェーンが寸断、AR・VR機器の国際出荷量が減っていると分析。そのため2020年第1四半期の出荷量は、前年同期比で1割減り、第2四半期では2割を超える減少をみせると予測した。
しかし、生産体制が20年前半に整えば出荷量は大幅に改善、前年比2割超えの増加となり、2024年には、20年の10倍を超える約7670万台が出荷されるとした。
ブロックチェーンのイベントで感染者、国内外でオンライン開催が増加
イベントの開催自粛は3月上旬、ブロックチェーン業界でも広がった。日本経済新聞社と金融庁が3月に開催する予定だったイベントは4月に延期、オンラインでも視聴できる体制を整える。ガバナンスにかかわる討論のみ、3月10日にオンラインで開催した。
こうした動きは国内だけではない。ブロックチェーンメディアの米CoinDeskが5月に主催するイベント「Consensus」は、オンラインで無料開催することが決まった。3月初旬にパリで開かれたイーサリアムのイベントでは、参加者のうち10人以上が感染したことが分かっているだけに、オンライン開催への移行もやむを得ないところだろう。
「ウイルスの拡大で、AR・VRソリューションに対する需要が高まる」
IDC世界モバイルデバイス追跡部門のリサーチマネージャー、Jitesh Ubrani(ジテシ・ウブラニ)氏は、「ウイルスの拡大で、より多くの消費者と従業員が屋内に留まるため、同僚とともに働き、家族と楽しむためにAR・VRソリューションに対する需要が高まる」との見方を示している。
文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:pickingpok via Shutterstock.com