この1週間に起きた仮想通貨(暗号資産)・ブロックチェーン分野のニュースを振り返ろう。3月20日(金)-3月27日(金)には、丸紅が鋼管のサプライチェーンをブロックチェーンで追跡する実証実験をすること、FRBが「無制限の量的緩和」を発表し金とビットコインが上昇したこと、米デジタルドル財団が顧問団を発表したことなどが報じられた。
3月23日──グローバル・ステーブルコインが証券法の対象か
証券監督者国際機構(IOSCO)が、グローバル・ステーブルコインは証券法の対象となる可能性があると考えていることが明らかになった。ステーブルコインをめぐる規制上の問題についてのレポート。IOSCOは、世界の証券市場・先物市場の規制組織の連合体で、日本からは金融庁や証券等取引監視委員会などが参加している。
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FRB「無制限の量的緩和」で金とビットコイン上昇、インフレの懸念も
FRB(連邦準備制度理事会)が無制限の量的緩和政策を発表してからの1時間で、ビットコインは5,860ドルから6,628ドルに急上昇した。安全資産であるゴールドも1,494ドルから1,524ドルに上昇した。インフレーションを懸念する見方もある。
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3月24日──丸紅、鋼管のサプライチェーンをブロックチェーンで追跡
総合商社の丸紅が鋼管のサプライチェーンを対象に、ブロックチェーンを使った実証実験を始めると3月24日、発表した。4月から6月にかけて、伊藤忠丸紅鉄鋼が扱う鋼管トレードで実証実験を行い、実際の運用に移行するかを検討する。
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テレグラムのトークン、発行差し止め
メッセージングアプリのテレグラムに対し、米国証券取引委員会(SEC)が独自トークン「グラム」の発行停止を求めていた裁判で、裁判所は4月の発行を控えるよう命じた。グラムの証券該当性が焦点となっていた。
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3月26日──デジタルドル財団が顧問団を発表
商品先物取引委員会(CFTC)の元委員長らがアクセンチュアと共同で立ち上げたデジタルドル財団が3月26日、24人の顧問を発表した。 米元財務次官や世界経済フォーラム(WEF)のブロックチェーン責任者などが加わった。2020年第2四半期にデジタルドルのホワイトペーパーを発表する見込み。
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文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock.com