エイベックスがブロックチェーンとAI(人工知能)を活用した著作権管理システムの構築に乗り出す。子会社のエイベックス・テクノロジーズが4月23日、AIで音楽を特定する企業などと基本合意書を締結したと発表した。
合意内容は、ブロックチェーンと AI 技術を活用した利用楽曲特定、そして音楽著作権管理システムの構築。同社と合意書を締結したのは、利用楽曲を特定するAIシステムを持つヴォバイルジャパンと、著作権管理事業を営むネクストーンの2社。今後、3社で実証実験を行うという。
煩雑化するデジタルコンテンツの著作権管理
背景には、デジタルコンテンツで使われている音楽著作権の特定や管理が複雑化していることや、音楽著作物の演奏利用では、人手を用いた既存の著作権管理だけでは十分に管理できないことがある。
実証実験では、エイベックス・テクノロジーズが開発したデジタルコンテンツの権利記録・分配を行うブロックチェーンシステム「A trust(エートラスト)」も用いる。デジタルコンテンツで使われる楽曲をAIで特定し、ブロックチェーンも活用することで、権利者に還元できる透明性の高い仕組みを構築するものと見られる。
JASRACやSMEなどもブロックチェーンを活用
音楽の著作権管理でブロックチェーンを活用する動きは今後も広がっていきそうだ。 日本音楽著作権協会(JASRAC) も2月、ブロックチェーンを用いた実証実験を行うと発表している。ほかにはソニー・ミュージックエンタテインメントが音楽の権利情報を処理する基盤を作るために、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のブロックチェーンサービスを使っている。
文:小西雄志
編集:濱田優
画像:エイベックス・テクノロジーズ