この1週間に起きた仮想通貨(暗号資産)・ブロックチェーン分野のニュースを振り返ろう。4月17日(金)-4月24日(金)には、中国の中央銀行が中銀デジタル通貨「デジタル人民元」のテストを4都市で実施すると発表したこと、フェイスブックがデジタル通貨「リブラ」のウォレット開発を加速させること、銀行間の送金手数料の是正を公正取引委員会が求めたことなどが報じられた。
4月17日──【デジタル人民元】アプリのテストを4都市で実施:中国人民銀行
中国の中央銀行「中国人民銀行(PBoC) 」が、深セン、蘇州、雄安、成都において中央銀行デジタル通貨「デジタル人民元」のテストを実施すると発表した。
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4月20日──フェイスブック「リブラ」ウォレット開発を加速。アイルランドで新規採用
フェイスブックが、デジタル通貨「リブラ」のウォレットの開発を担う子会社カリブラ(Calibra)の人員として50人を採用しようとしている。50人はダブリンで2020年末までに業務を開始する。アイリッシュ・タイムズが報じた。
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4月21日──「40年以上変わらない銀行間送金手数料の是正を」公取委が要求
銀行間の送金手数料が40年以上も変わっていない実態について、公正取引委員会が「現状の是正が必要」として、実質的に引き下げを求める報告書を発表した。手数料は3万円未満の送金は1件117円、3万円以上なら162円。公取委は「事務コストを大幅に上回っている」との見解を示し、是正を求めた。
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三井物産、不動産のデジタル証券で実証実験──3年で1000億円目指す
三井物産とLayerXが共同で設立した三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)が、7億円規模の不動産をデジタル証券化する実証実験を4月28日に開始する。今年下半期には事業化し、今後3年でその運用資産を1000億円までに拡大させる計画。
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4月22日──ウェブサイトに「暗号資産取引所」機能を追加、ワードプレスで
世界的に有名なウェブサイト構築ツール・ワードプレスで、暗号資産取引所を簡単に追加できるプラグインが発表された。米ブロックチェーンスタートアップのドレーパー・ゴレン・ホルムが作ったもので、 誰でも“数分で”取引機能をウェブサイトに追加したり、独自ブランドの暗号資産取引所を作ったりできるという。
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4月23日──スターバックスとマクドナルド、デジタル人民元のテストに参加:報道
スターバックスとマクドナルドが、中国・雄安新区で行われる「デジタル人民元」のテストに参加すると、現地メディアが報じた。中国河北省・雄安新区の管理委員会改革発展局は4月22日に「デジタル人民元」のテストに関する会議を開催し、その中に2社の名前が含まれていたという。
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文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:Shutterstock.com