マイナーのビットコイン売却、2010年以来の低水準:データ

マイナー(採掘者)のアドレスから送られたビットコインの7日間平均は6月18日、987まで低下し、2010年2月3日以来の低水準となった。暗号資産(仮想通貨)データ企業グラスノード(Glassnode)のデータで分かった。

マイナーから送られたビットコイン(2010〜2020年)
出典:Glassnode
  • 「有能なマイナーが保有を続けている」(ロンドンに拠点を置くエテルナ・キャピタル[Eterna Capital]の共同最高投資責任者アシム・アフマド[Asim Ahmad]氏)
  • マイナーの保有増は必ずしも価格の長期的な強気傾向を表すわけではない。マイナーは日々の運用に現金を必要とし、ほぼ毎日、ビットコインを現金化している。
  • 市場に供給量を吸収する力がないとの懸念から、マイナーがビットコインの売却を一時的に見送り、価格上昇を待っている可能性がある。

マイナーからの送られたビットコインの減少のもう一つの主な理由は、5月の半減期以降、マイニングされるビットコインが減少したことと、アフマド氏は言う。(ビットコインのマイニングに対する報酬は5月に半減している)

マイナーから送られたビットコイン(2020年5月4日〜6月17日)
出典:Glassnode
  • 5月11日の半減期から9日間で、マイナーのアドレスからの送られるビットコインは2334から1034に減少。

収益性の急激な低下は、非効率的なマイナーを運用停止に追い込んだ。

ハッシュレート(4月27日週〜6月15日週)
出典:Glassnode
  • マイニングに使われる演算能力を示すハッシュレートは、1秒あたり120テラハッシュ(TH/s)から、半減後の2週間で90TH/sに低下。
  • だが効率的なマイナーが運用を強化し、数値は再び上昇。
  • 価格が上昇すれば、古いハードウエアも再び利益を生み出すことが可能になり、停止に追い込まれたマイナーも運用を再開する。

5月中旬以降、ビットコインは9000ドルから1万ドルの狭いレンジでの値動きを続けている。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸、佐藤茂
写真:Shutterstock
原文:Outflow of Bitcoin From Miners at Lows Not Seen Since 2010