民事再生手続き中のビットコイン取引所MTGOX(マウントゴックス)は、695億5308万円の預金残高と14万1686BTCのビットコインを保有していることが、東京地方裁判所に提出された書類で分かった。
管財人の小林信明弁護士は2019年3月19日、MTGOXのユーザーの仮想通貨と現金などの返還に関する債権(再生債権)についての認否を行い、その結果を記した認否書を地裁に提出したと発表した。
債権を届け出たユーザーは、「近日中に」MTGOXの債権届出システムにログインし、認否の結果を確認することができる。オフライン方法で届出を行ったユーザーには、認否結果をメールにて送信されるという。
また、3月20日に地裁へ提出された報告書によると、債務者であるMTGOXが保有する現預金は同月19日現在で695億5308万円。ビットコインの保有額は14万1686.35371099BTCで、ビットコインキャッシュは14万2846.35166254BCHだった。現在の市場価格で換算すると、両仮想通貨の価値は合算して約650億円になる。
今月22日から始まる再生債権の一般調査を経て、MTGOXの再生計画案は4月26日までに提出される。
MTGOXは過去に取引量では世界最大のビットコイン取引所となったが、2014年に顧客資産が消失したとして経営破綻。当時破産手続きを行っていたMTGOXは2018年6月に、地裁から民事再生手続きの開始決定を受けた。債権者は、現金による破産手続きではなく、仮想通貨でも配当できる民事再生手続きを求めていた。
MTGOXの巨額資産の消失を巡っては、3月15日に元代表のマルク・カルプレス被告(33)の判決公判が開かれ、横領については無罪、私電磁的記録不正作出・同供用罪では懲役2年6月、執行猶予4年という判決が下された。
文:佐藤茂
編集:浦上早苗
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